馬鹿な悪人

「思うんだけど、仕事嫌いなことってある意味普通だよな。

 

 趣味で自分の好き勝手にできることは楽しくて、仕事で他人の注文に振り回されてコキ使われることは嫌だ、って普通のことだよな」

 

馬鹿な善人

「それは君が悪人だからでしょ? 

 

 善人の僕は、他人の注文に応えて助けられるのが嬉しいけど、『自分の好きにして』と言われると、何をしていいのか解らなくなるよ」

 

馬鹿な悪人

「ああ、それもそうか。いや、親父が『天職に出会うのは難しいことだよ』と言っていたから、俺が仕事嫌いなのも天職に出会えていないからかな、と思ったんだよな。

 

 俺は会社員の頃にプログラマーとして働いていたけど、手応えが無かったんだよな。上司の注文に振り回されて、変なポンコツを作っただけで、自分の作品としては自信が無いんだよな」

 

馬鹿な善人

「ああ、僕は、目に見える成果が出る、印鑑や書類作成を楽しんでいたね。でも、これは、下っ端の庶務で、本業では無かったんだよね」

 

馬鹿な悪人

「仕事を楽しむって難しいよな。ゲームをやる感覚でプログラミングができれば、それに越したことは無いんだけどな。まあいいか」