幽霊・無意識

「まず、愛って何だろう。

 

 誰だって、自分は可愛いよな。

 

 でも、あざみさんは小学生の時点で、自分よりもお母さんの方が好きだったんだ。

 

 お父さんとは喧嘩していたけど、大学受験の時に、一緒に勉強して、お父さんのことも自分以上に尊敬するようになったんだ。

 

 その自分よりも他人を好きになることができるのは、どうしてなの? 

 

 あざみさんは小学生の時点で、お母さんの料理が美味しいと思っていたんだ。

 

 それで、自分で料理をしても、お母さんほど美味しいものを作ることができないと、気づいていたんだ。

 

 だから、料理人であるお母さんは偉いと思うようになったんだ。

 

 あざみさんは小学生の時点で、自分も食費を稼ぐか料理をするかしないと、食べていけないことに気づいていたんだ。

 

 それは、家族の中で、仕事をしないくせに偉そうにしているお祖父さんがいて、お祖父さんだけは好きになれなかったからなんだ。

 

 高校生の頃に、悪かったと思って、お祖父さんと少しだけ仲直りできたけど、それでも、お祖父さんが一番最初の反面教師なんだ。

 

 俺らは、お祖父さんよりもさらに格下の反面教師になっているんだ。

 

 お祖父さんはまだ、あざみさんが大学合格したことを喜んでくれただけマシだったんだ。

 

 俺ら幽霊は、あざみさんの大学合格の苦労すらもどうでも良いと思ってきたんだ。

 

 すみませんでした。

 

 一度記事を投稿します」