人目を気にして左右を見る。
目の前にはジェラルミンケース。
実はジェラルミンケース風アルミケース。
左右を見る。
誰もいるわけがない。
何故なら自分の部屋だからだ。
見つかるとすれば、猫さんだけだ。
大丈夫。
ヤツは口が固い。
というか人間とは、話さない。
実は俺は話すが。
この部屋にはヤツさえいれない。
何故なら、抜け毛が酷い短毛種だからだ。
短毛種といえば、スコティッシュやソマリ、アメリカンショートヘアを思い浮かべるだろう。
しかし、うちの猫さんは、保護猫だ。
マンションの下で出会って、捨て置けず、それ以来の相棒だ。
その相棒すら、この部屋には入れない。
ヤツも怪しんで、開けろ開けろと鳴いてはいるが、今は非情にも無視だ。
何故なら、この部屋には例のブツが隠されているからだ。
ジェラルミンケース(風)に4ケースびっしり。
管理には抜かりない。
ジェラルミンケース(風)の中には、きっちり乾燥剤も入れてある。
休みだからといって、俺は仕事を休むほど自信家ではない(ゴルゴ13風)
だから今日の昼間から必死に仕事を終わらせて、今からは至福の時間だ。
猫さんと遊ぶ時も至福だが、それはそれ。
たまにヤツは、パソコンのキーボードに乗って、データを滅茶苦茶にする。
それは可愛いから許す。
しかし、この部屋の例のブツは駄目だ。
そしてジェラルミンケース(風)を開ける。
至福・・・・・・ん?!
例のブツの表面が白くなっている!
黒いブツもシルバーのブツも。
しかもお気に入り、グロッグシリーズを入れたケースだけ・・・・
カビた。
役立たずの乾燥剤は、とっくに水が溜まってるし。この部屋にはエアコンが無い。
除湿器を置くべきだった。
梅雨が長かったせいだ。
例のブツ。
グロッグシリーズだけで、数十万円。
コツコツと、貧乏ながらも毎月1つ買ってコレクションしてきたのに。
他のケースは無事だった。
なぜに、よりによってグロッグ。
仕方ないから、例のヤバい化学製品を使う(金鳥サッサ)。
表面を研く。駄目だ。
仕方ない。例の皮しかない(セーム皮)。
すこしだけ綺麗になった所で、油とシリコンスプレー。
手入れは限界だ。
そして例の化学物質(金鳥サッサ)。
研く研く。
ふう。何とか手入れは出来た。
八つ当たりに、あいつの胴体を蜂の巣にしてやろうか。
役立たずの乾燥剤め。
ガスガン。モデルガン。
それはロマン。
サメ、ゾンビ、モデルガン。
それは浪漫だ。
PS
胸くそが悪かったので、史上最強にラストが胸くそ悪いDVDをみています。
『ミスト』
ラストシーンがね。もう。
最強に胸くそ悪いです。