私の仕事は登山者を山頂の手前までサポートするシェルパ。
シェルパは脚光を浴びてはならない。
麻布学院は、小さな個人塾でシェルパの数にも限りがある。
今日、中学3生たちは山頂にアタックを始めた。私の役割は、背中を見せて下山するだけ。
下山したら次の生徒達が待っている。
また重い荷物を背負い次の学年に付き添い、また山を登る。
叱咤激励しながら、自分にも言い聞かせながら登りだす。
それが塾長という仕事。
受験を仕事にするならば、シェルパと同じ。
生徒が山頂にアタック出来る場所まで登らせること。
成績と言う名の数字と結果を一歩一歩着実に上げながら、志望校を目指す。
自分が登るためではなく、誰かを山頂に届けるための職業登山。
それがシェルパ。
今日からまた新しい1年が始まる。