『武士と云うは死ぬことと見つけたり』
 
この言葉は潔さを示したり、死を覚悟することを賛美する言葉じゃない。
 
平和な世の中になり、武士に戦場が無くなった時、武士はどう生きるべきかを述べている。
 
平和な世の中にあってこそ、武士は自分の仕事に死ぬ気で取り組む事。
目の前の仕事に全力で取り組み、朝も昼も夜も死ぬ気で仕事をすれば武士の平和な世の中の戦場が仕事であるとわかる。
 
そういった意味だ。
 
将兵を見殺しにして、自分は口八丁で生き残ろうとする。
そんな人間は武士ではない。
 
武士とは平和な世の中にいても、死ぬ覚悟で目の前の事と真剣に向き合う者を云う。
 
死ぬ覚悟とは誠実さや真摯に誇りを持って目の前の仕事に取り組む覚悟の比喩だ。 
 
決して虚勢や虚構に使用すべきではない。
 
仕事に疚しさや虚実がある人間に武士を語る資格すらない。
 
仕事に対して嘘偽りなく、誠実に真摯に誇り高く常に自己を律して。
それが武士道だ。