このところあまり気が乗らなかった読書を、ブログにも決意表明めいたことを書いてしまったこともあり、進めようという気になりました。

柚月裕子さんの『月下のサクラ』が文庫化されて購入し、先ずはそれからと思っていました。ところが読もうとしたこのタイミングでシリーズ前作の『朽ちないサクラ』が映画化されると知り、『月下のサクラ』の前にもう一度『朽ちないサクラ』から読み返そうと思い直しました。 

迷走 🌀

でも、結局手に取ったのは『盤上の向日葵』

迷走 🌀




柚月裕子さんの佐方シリーズが好きだった私は、『盤上の向日葵』の評判を知り、文庫化されるのを待たずに単行本で購入しました。それだけ早く読みたかったのです。すき間時間に読書をする私は文庫が持ち運びやすく、収納スペースの問題もありますし、余程でないと単行本では購入しません。ちなみにこの何年かで単行本で購入した本はこの『盤上の向日葵』と『蜜蜂と遠雷』の2冊だけ。

初めて『盤上の向日葵』を読み始めた時は将棋のルールを全く知らず、対局の白熱した場面をほとんど理解できませんでした。それでも登場人物の将棋への思いは充分伝わりました。ルールが分かれば、もっと深く読めたのに…と、とても残念な気持ちに。

読み終え、とても切なく哀しい物語に心打たれ、是非また読みたいと思いながら本を閉じました。


コロナ禍から将棋を始め、少しずつ将棋が面白くなり『盤上の向日葵』を読み返そうと、すき間時間で読めるように文庫でも購入しました(無駄遣い…)。 

なのにそれからしばらく寝かしたまま…
初読で切なさが胸に刺さり過ぎて、読み返せなかったのです。読んだら苦しくなりそうだと。

でもここに来て、ふと「今だ」と
藤井八冠が誕生し、将棋は4年ほどマイブーム

これに決定!

『盤上の向日葵』再読

文庫で読み始めました。
柚月裕子さんの作品はいつも一人一人が丁寧に描かれ、初読(もう6年程前になるでしょうか?)で私の中に構築された登場人物の人物像が蘇ってきます。


将棋は息子から教わりました

☗☖先手後手の表示や符号
最初の駒の並べ方(大橋流・伊藤流)
駒の動かし方、成駒の作り方
居飛車、振り飛車について
戦型や囲いの名前

将棋界のお話
奨励会の厳しさ(奨励会に入るための厳しさも)
プロになるための門がいかに狭いか

順位戦や竜王戦などの組の仕組み
各タイトル戦への挑戦権への道のり

😵‍💫 無限です


この4年間息子から教わり、放送される対局を観て、解説を聴いて、スマホのアプリで細々対局してみて、今回は物語の中の対局の場面でも何が起こっているのかわかり、初読よりお話の内容を深く理解できた気がします。


再読にもかかわらず物語にぐいぐいと引き込まれます。ページが進むに連れて過去と現在の2つが徐々に近づいてきます。

切ない終盤が頭をよぎる…泣くうさぎ

ついに過去と現在が繋がります
辛い… 悲しい 哀しい…
こうなるとわかっていたから、再読のハードルが高かったのです。

読み始めてしまえば、あっという間
ページをめくる手が止まりません
読み終え、本を閉じました。
ため息 😮‍💨

将棋に取り憑かれた人物たちの狂気
対局中の張り詰めた緊張感
あまりに哀しい桂介の生い立ちと人生

心にずしりとくる物語です。
柚月裕子さん、2度目なのに泣かされました。


文庫化されたものには、単行本にはなかった羽生九段のあとがきがありました。 ニコニコ
文庫を購入してよかったです。


読書は楽しい 🎶 
何度でも読み返したい
と、思う本に出会うのはそんなにないことです。

『盤上の向日葵』は、またいつか読み返そうと思う1冊です。


これで、サクラシリーズに突入できます。

孤狼の血シリーズの『暴虎の牙』も未読…
しばらく柚月作品が続きそうです。