本日のネタバレなし本レビューは作者買いの作品
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<作品紹介>
みんなには隠している、ちょっとだけ特別なちから。
別になんの役にも立たないけれど、そのせいで最近
君のことが気になって仕方ないんだ――。
クラスメイト5人の「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。
ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者が贈る、眩しくて時に切ない、
共感度No.1の青春小説!/引用:新潮社
章ごとに5人それぞれの視点からのストーリーが展開される。
一つのエピソードの5人視点ではなく、章が進むと時間も進んでいるので
一本のストーリーが主人公を順に変えながら進んで行く、
といった具合だ。
一見、話に身が入りなさそうな仕組みだが、これがうまくしっくりくるあたりが
さすが、キャラを生かす(活かすではなくあえて)住野よる作品の醍醐味。
そして前に主人公だった子のその後の様子が
また違った形で見えてくるのが面白い。
青春時代ってーのはいわゆる思春期ってなわけで
悩みといえば、大きく分けたら他人と共有できるものと、できないものがある。
恋愛あーだこーだは他人と盛り上がりさえする悩みであるだろうし、
自分自身のこと、についてはグルグル自分の中で行き場をなくし抱える。
十代の頃はおそろしいほど自分について考え、悩み、嫌って・・・
日夜繰り広げられる自分の中の長き闘いは、過ぎ去ってみれば驚くほど単純なものも多い。
それでもリアルタイムではあんな苦しいものはないよね。
そんな闘いから脱する、終戦させるには
どんなに自分の中の闘いでも、他人との関わりが大きく影響する。
自分から見た自分、人から見た自分。
どれほどの差があるんだろう。
それとも差なんて本来ないのかもしれない。
自分がわかっていないだけか、それとも周りが理解できないだけか。
自分ってどーだろって久しぶりに考えられた一冊。