またまた先日の桐野夏生さんの本です。
柔らかな頬 上下巻
直木賞受賞作品でもあります。
内容は…
カスミという主婦が主人公。
彼女は退屈な夫と、夫と経営する零細企業の
経営の疲れから夫の友人で会社の上得意先の
担当でもある石山と不倫関係に陥ります。
石山もカスミも、自分の家庭を捨ててまで
のめり込んでも構わないとまで思い詰め
石山が買った別荘へ家族で招待されたにも
関わらず、互いの家族の目を盗んで逢瀬を
繰り返します。
そして、カスミの長女、まだたった5歳の有香が
忽然と姿を消します。
狂ったように何年も有香を捜し続けるカスミ。
ガンを患い、余命幾ばくもない元刑事の内海が
残りの時間を有香捜しの時間に充てたいと申し出
たことによって、2人の旅が始まります。
命が燃え尽きる前の内海は、現実とも白昼夢とも
つかない夢を見ます。
有香失踪の真実とも取れるような夢を…
結局最後まで、事件の真相は書かれていません。
何が真実で、何が虚像なのかは読後もサッパリ…
相変わらず脱帽するぐらいの文章力と描写力ですが
やっぱ後味のスッキリしない作品でした( ̄_ ̄ i)
まぁこれがこの人の味とゆ~か作風なんでしょうが、
自分の好みからすると、イマイチ馴染めないかも。
っつうか、1作目で気付けよ!って感じですけど…
後味もそうですけど、やっぱキャラクターの魅力
ってゆ~のかな…感情移入できないキャラには
読んでる間中「はぁ?」って言い続けてるからね。
理解できない部分が多すぎるんだもん(^^;)
今回のカスミなんか、大っ嫌いな女の典型って
感じでさぁ~( ̄Д ̄#)
何にしたって、不倫はイカンだろ。
てか、イカンと思ってても開き直って悪人になる
覚悟で楽しんでる女の方が好感が持てる。
それなのにグダグダな不倫関係を続けた挙句
子供がいなくなった途端、突然イイ母親ぶっちゃって。
なんかみえみえの偽善者って感じでさぁ~
優しいばっかで主体性のない女ったらしの石山も
嫌い。
プライドが高くて、世間体に崇められて満足してる
石山の妻も、カッコつけてクールぶってる内海も、
事務的で仕事と自分にしか感心のない内海の妻も
みんな嫌い。
なんか全体見渡しても、嫌いな人間しか出てこない
話なんだもんなぁ~(-。-;)
ある意味、人間の汚れた部分をすごくシビアに書い
てると思うんだけどね。
あまりリアルに書きすぎて、引いちゃうんじゃないかと…
そりゃあ、世の中にピカピカの全てがキレイなままの
人間がいるとは思ってないけど、どす黒い部分を
モロに見せられちゃうと、気持ちが萎えるよね。
まぁ色々申しましたが、そんなところです。
今のトコ、積極的にこの方の本を買おうという気は
薄れてしまいました。(熱しやすく冷めやすい)
また相性のイイ作家さん見つけないとな~