最近読んだ小説です。



桐野夏生さんの残虐記


失礼ながら、桐野さんて男性だと思ってました(^^;)

名前は知ってたけど…魂萌え!書いてる人でしょ?

今まで読んだことない作家さんだったもんで

名前から漠然と勝手に思い込んでたのですわ。


帯を見てピンときた方もいらっしゃるかと思いますが

新潟の少女監禁事件に触発されて書いた作品だ

そうです。


大まかなストーリーは…

かつて少女期に1年強の間ケンジという男に

監禁されていた女性が主人公です。

彼女は35歳になり、小説家として大成していましたが

ある日ケンジから送られてきた手紙を見て、

かつての監禁時代の手記を書き始めます。


そしてその「残虐記」と冠した手記を残し失踪したのです。


物語は彼女の夫が編集者に宛ててその旨と「残虐記」、

ケンジからの手紙を送るところから始まります。


夫からの手紙、ケンジからの手紙、残虐記、夫からの手紙

おおまかに4部立てになっていますが、物語の主軸は

あくまでも残虐記です。


残虐記は彼女の子供時代の日常から始まって、やがて誘拐

監禁された経緯、監禁中の状況、そして解放された後の

作者の身に起きた変化を克明に記したものでした。




文体はサラサラと読めるもので、興味深い内容、構成でしたけど…


最後まで何が残虐なのかよく分からなかったかも( ̄Д ̄;)


決してつまらないとか、そういうことじゃないんですよ。


ただなんかもう、えらい難しくって…(´Д`;)




人間を変えるのは経験であって、その経験の衝撃が大きければ

大きいほど、感性や想像力が異質のものに変化するというのは

理解できるんだけど…

やっぱこの主人公の考え方とか感受性とか、繊細で敏感すぎて

イマイチ感情移入できないんだよなぁ~

私なんか根が大雑把な人間の典型だから尚更なのかもしれない

けどさぁ(-。-;)

でも、主人公がそこまで深く考えるのには「監禁」という経験が

あったればこそ。っつうのは分かるからね。

なんか最後まで「分かるけど分かんない」ってゆ~状態で

読み終わった感じかな(^^;)ゞ



まぁ、スゴイ作家さんだというのは分かった。

近い内に「魂萌え!」も読んでみようと思います(^・^)