今はもう縁が切れてしまったのだが、10年ぐらい
前に40代以上の人間ばかりでボーリング大会を
やっているグループと付き合いがあった。
夫婦で月に一度のボーリング大会に誘われ
何度か参加したのだが、大会後の打ち上げで
「じゃあ、この後はOさんの家に集合ね。」
ある日そんな風に誰かが言った。
「何があるんですか?」
「麻雀だよ。Mさんは?できる?」
ダンナは10代の頃に少し。私はと言えばゲーセンの
脱衣麻雀ぐらいしかやったことがない。
そう言ったのだが、
「なんだ。できるの。だったら一緒に行きましょうよ。」
なかばムリヤリ連れて行かれた。
Oさん宅は、当時奥さんと離婚して一人暮らしだった為
かなり広い感じがした。
お手製の麻雀台に食卓テーブルのイスを並べた麻雀
スペースが異彩を放っている。
全自動でも何でもないので、牌は手で積みあげる。
千点50円のお遊び価格。ハコになっても1500円。
何もかもが気軽で気を遣わないムード。
ちょっと様子を見るだけのつもりが、ハマってしまった。
それからは休みの前になると電話が掛かってくる。
当然のように出向いていき、不健康な週末を過ごした。
特にひどかったのが、金曜の夜7時頃から始めて
土曜日を丸一日。日曜日の昼近くなってさすがに限界。
というまで続いた。
およそ40時間ぶっ通しの麻雀大会。
いい大人がバカ丸出しである。
もう終わりの方になると、13~14でなければならない牌が
18コもあったり、「ロン」を「ポン」と言い間違えたり…
勢い余って 「ぴょんっ!」 とか。
なんだよ「ぴょん」て。うさぎか?カエルか?
「あがり♪」って倒した牌が見事にバラバラ。
一瞬「国士無双」かと思って焦る一同を尻目に
「何だこれ?」って、本人が大ボケかましたり…
精神異常者の集団にも見える散々たる有様だった。
終わりにしようと決めた日曜の昼。
途中ちょこちょこ食べ物は口にしていたのだが、さすがに
起きている時間が長いせいか皆空腹気味。
「近くのそば屋で出前でも取ろう。」
そうOさんが提案した。
何がイイかと聞かれたのだが、思考力など残っていない。
「みんなと同じでイイ」
結局、Oさんのこの店のお勧めということでカツ丼をとった。
不眠不休の胃袋に、やめときゃいいのに カツ丼
案の定、一口食べると皆つわり状態。
それでも空腹を満たそうと箸を動かすのだが、こんどは
強烈な眠気でボケ老人のように箸が震える。
口からポロポロとご飯をこぼす者、「うぷっ」と口を押さえる者
カツに箸を突き立てたままうつむいて眠りに入る者…
もうメチャクチャ( ̄□ ̄;)
これが大学生とかなら「若さ」で済ませられるけど、私以外は
皆40過ぎの中年。
別の意味で、人間てすげぇな。と思った出来事です。