ミュージカル マリー・アントワネット 笹本×昆 | アクエリアス

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ミュージカル『マリー・アントワネット』


「新演出版」として日本再上陸したミュージカル。
フランス王妃マリー・アントワネットと、庶民の娘マルグリット・アルノー。二人の"MA"の運命がフランス革命の嵐の中で交錯すゆ物語。






10月の観劇に続き2回目。
今回はメイン4人は別キャスト。子役二人も前回と違う。




2回目だからか、座席位置によるのか、前回観たい時よりも歌詞がクリアに聴こえてきた。
笹本玲奈のマリー・アントワネットは思ったより良い。声質も綺麗で伸びやかによく出ていて、情熱的で力強さもある。フェルゼンとの逢瀬では我儘でおきゃんな面が素直に出ており、子供たちとの絡みでは母性もしっかり把握。マルグリットの対峙では結構感情的になってて面白い。

マルグリットの昆夏美は、パワフルさは足りないかなと思いきや、アバズレ度も力強さも辛抱強さもソニンに負けていない。昆夏美さんは丁寧な芝居ができる人で、リアクションの表現力や掛け合いがとっても豊か。彼女の気持ちが手に取るように分かる。フェルゼンへの淡い想いも感じられる。笹本アントワネットに雰囲気も似ていて、入れ替わりにも納得感。

『1789』初演はロベスピエールを演っていた古川雄大。フェルゼンは、さすがスラリとスマートで立ち姿も彫りの深い顔もハンサム、アントワネットを夢中にさせるほど魅力的だ。 思ったよりデュエット曲もハマっていて、アントワネットへの慈愛も感じられる。ただ、解説の台詞やナレーションは、万里生さんの声のほうが聞き取りやすい。
佐藤隆紀のルイ16世は恰幅のいい体で、可もなく不可もなく。妻や子供たちへの愛情をもう少しストレートに出してほしい。

この4人と、サブキャラやサンボとの関わりがポイントかな。昆夏美マルグリットはやっぱり結構ヒールの高い靴を履いていそう。
坂元健児のエベールとの関係ではマルグリットのほうが小賢しい風で勝ち。吉原光夫のオルレアン公とは身長差はあれど、昆夏美マルグリットのほうと相性が合いそう。

吉原光夫の歌唱力はますます冴え渡り、王のような立ち姿から這いずり回るネズミまで、圧倒的存在感を見せる。ただ、オルレアン公もWだったら面白かったろうに。

『マリー・アントワネット』の楽曲はどれもエモーショナルで好みだ。でもたまにオルレアン公の歌が長く感じられる。
後半のパリ市民のトリコロールな衣装はイマイチかな。
ロベスピエールとダントンをもう少し目立たせてほしい。
ラストのとってつけたような「復讐の連鎖を断ち切る」メッセージは、まんま井上ひさし作『MUSASHI』とカブるので、もう少し考慮の余地があるかな。
マルグリットだけが架空の人だが、彼女にも恋愛モードを与えてほしかった。

カテコではける時に、マルグリットの腰をギュッと抱いて密着するオルレアン公を見て、『レミゼ』キャストスケジュールで吉原光夫&昆夏美を検索しちゃった。

ジャンバルジャン&エポニーヌでまた再会してくだされ。



今年はパリに行けたし、ヴェルサイユ宮殿にも行ったし、マリー・アントワネットにまた一歩近づけた感。
新演出版のマリー・アントワネットにも満足。また2〜3年後の再演を待ちたい。