ミュージカル SMOKE | アクエリアス

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ミュージカル『SMOKE』

お初の浅草九劇で、案の定道に迷う。
浅草九劇のリーフレットを観ると、浅草駅より隣の田原町駅からの道のりがベスト。



早世した韓国の天才詩人李箱(イ・サン)の作品にインスパイアされクリエイトされた韓国発のオリジナル・ミュージカルの日本版初演。

客席を四方囲みとした緊密な空間で、詩人の心の深淵を描き出す菅野こうめいのオリジナル演出。
36回のサミロングラン上演をWキャストを交えた回替わり。会場高台からの生演奏が大きく激しく包み込む。

登場人物は謎めいた3人。
純粋な「海」(へ)役は、シングルキャストの大山真志。豊かな声量に圧倒されるが、大柄な体からはすぐに汗が吹き出す。
翳のあるクールな「超」(チョ)役にはWのうち木暮真一郎。ハンサムなキレ者の顔はやがて弱みや暗黒面を見せる。
母性と衝動の「紅」(ホン)役にはWのうち池田有希子。品性のある顔に反して、激しく情熱的な芝居でおしていく。

手前の端側最前席で、隣がキャスト出入りの門という良席ではあったが、話がさっぱり分からず、世界観から早くも置いてけぼり状態。
煙とキャストの咳が立ち込める閉鎖空間で、終始けたたましい声とつんざくような歌が飛び交うので、耳が悲鳴をあげてしまう。
緑のレーザー光線がクセもので、たまに飛び込んでくる光が眩しく、度々訪れる暗闇は眠気を運んで、どんどん瞼が落ち込んでくる。

大山さんは役的にもだいぶボリュームを抑えた歌い方で悪くないが、木暮さんも池田さんもどうしてそんなに感情過多で声を張り上げるのだろう。もう少し声を抑えても、言葉や感情は充分に伝わってくるはずだ。

後半で3人の関係性が分かってきたが、尚更、言葉の一つ一つを大切にした、説得力と癒しのある歌い方も工夫するべきだろう。
せっかくこんな小さな閉鎖空間なのだから、もっと観客の心に寄り添った、静かで崇高な時間も作り上げてほしかった。

どんどん膨張して最後は破裂したような虚しさを伴って、キツくてシンドイ2時間だった。
終演後はトイレも封鎖されてしまったし、チラシの1枚も貰えなくて、後味もそっけなかった。

今回はチケぴあのポイントによる無料チケット。
だからこういう観劇でも我慢しなくてはならんか。