歌劇 明治東京恋伽 月虹の婚約者 | アクエリアス

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歌劇『明治東亰恋伽~月虹の婚約者(げっこうのマイネリーベ)~』


携帯ゲーム、劇場アニメ化と目覚ましい展開を見せている『明治東京恋伽』の舞台化シリーズ第3弾。
明治150周年記念公演と名うち、桜木さやか脚本、吉谷光太郎演出でおくる。





今作は森鴎外を中心に、新たなキャストを迎えての王道の恋愛物語をドラマティックに紡ぐ。
高校生の綾月芽衣(鈴木桃子)は、奇術師・チャーリー(声:安里勇哉)の手によって明治時代へタイムスリップ。 現代の記憶がないまま森鴎外(荒木宏文)の屋敷に住み、たくさんの歴史上の偉人達と過ごすうち、いつのまにか心優しい鴎外に惹かれていく。

ソロを含め曲数が多く、ダンスもたっぷりあり、どっぷりしっかりとミュージカル。
ヒロインの鈴木桃子は、背が低めで幼い顔立ちだが、表情は豊か、ソプラノの可憐な歌声を響かせて可愛らしい。
ただ、荒木宏文とのハグや見つめ合いの色っぽいシーンだと、兄と妹のような見た目感で惜しい。
荒木宏文はソロにデュエットとこなし、たまに音程が崩れるが、力押しで歌いきる潔さで踏ん張っている。行水のシーンも見どころの一つ。座長として引き締める頼もしさもあり。

前作では主人公だった橋本祥平は、菱田春草の黒猫エピの復習もあり、洋装と和装を着こなして鴎外に近い存在。
今回は橘龍丸の横山大観が初登場、歌にダンスにと万能に愉しげにこなし、ぱっと見は坂本龍馬な雰囲気。
明るい大観と冷静な春草との息ぴったりの関係を観て、ジワリとくるものがあった。大観&春草による、革命を起こすぞなデュエット曲も凛々しくて楽しい。

泉鏡花の北川尚弥が、思ったよりも歌えて、しっかりした芝居。
小泉八雲の汐崎アイルは、モノノ怪の解説やら、カートでゴーやらで、完全に舞台の盛り上げ役。警察官の藤田五郎の吉岡佑との絡み具合も面白い。

川上音二郎の遊馬晃祐は歌や芝居はまだ硬いが、変装した音奴は美しく、音奴の日替わりゲームコーナーが見どころ。
今回は鴎外と八雲の「あっち向いてほい」で、それはもう熱く激しい闘いが繰り広げられた。あらやんはジャンケンは強いが、ゲームにはなかなか勝てないヘンなやつ。

森鴎外に婚約者のフリをして欲しいと頼まれたり、 鴎外の過去の恋人エリスが見えたり、亡霊が見えることでイジメられていた過去を思い出したりと、とにかく芽衣がエモーショナル。
タイムスリップで過去に行くことで、過去の者達が変わるのではなく、現代から来た者の心だけが変わっていくパターン。
芽衣が何者であろうと、そっくりそのまま全部を受けとめてくれる鴎外さん。その包容力と優しさで、芽衣が抱えていたコンプレックスが解けていき、鴎外に惹かれていく様子が、みずみずしくも鮮やかに描かれて共鳴できた。

あらやんのおかげで、シアター1010ではお初の最前列。
演者やダンサーの息遣いや視線を存分に味わい、ドキドキしながらの観劇で、より世界観にのめり込めた。




『明治東京恋伽』もついにTVアニメ化決定。
舞台化シリーズもまだまだ続きそうだ。