劇団ヘロヘロQカムパニー第36回公演『舞台版・無限の住人 ~完結編~ 』
沙村広明氏原作「無限の住人」の舞台化の後編。
前編は原作13巻までの舞台化で、スケールの大きい作品として、2016年度に私が観劇した舞台でもNo.5内に入っていた出来だった。
今回は完結編として物語の最後まで描き、登場人物も場面も何もかも、ヘロQ史上最大最長級の舞台となる。
完結編完成への期待と思いを込めて、今回は初めてクラウドファンディングにも参加。
微力ながら、舞台制作の肥やしとなれるなら嬉しい限り。
今回はWキャストでもあり、チケットをいち早くゲットする機会も得た。
お花スタンド
両親の仇を討たんとする浅野凛と、百人斬りの不死の体を持つ用心棒の万次が、天津影久や吐鉤群らと激突する壮絶なストーリー。
覚悟はしていたが、4時間超なので睡魔との闘いが始まる。
しかし実際は、休憩中は少し腹を足しつつ、最初から最後まで舞台に惹きつけられ、全然眠くならんw。
原作の持つ力強さと奥深さ、隅から隅まで網羅した丁寧でダイナミックな脚本、スペースゼロを全て使い切る大胆不適な演出、役にハマりきり熱演以上の成果を見せる多種多彩な役者陣で、ただただもの凄い舞台を観たという大満足感に包まれた。
まさに、2.5次元を超えた、東映特撮時代劇の決定版!
これぞ、大河ドラマを超えた、超プレミアムドラマ!
メインキャストは2年前の前編とほぼ同じ。
関智一の万次は無骨で素っ気ないが、凛を護るために命をかける。その万次の危機を救おうと単身乗り込む福圓美里の凛は、逞しく凛々しく成長、キックやパンチが小気味よくて痺れる。
沖野晃司の凶戴斗と万次の対峙は、戦国BASARAのW石田三成の実現でウハウハ。
島田朋尚の尸良、大高雄一郎の偽一、中博史の阿葉山宗介と男性陣はくせ者揃い。
長沢美樹の槇絵、那珂村たかこの百琳と、女性陣は色気たっぷりによく動きカッコいい。
物語の要・最大最強最悪の吐を、冷酷非情に演じきる中尾隆聖が、殺陣に芝居にともの凄い存在感で、その場にいるだけでビビる。
浪川大輔の天津影久は前編からの続投で、既に関係者の空気は出来ていて、いるだけで安心感。長身の出で立ちと色気のある声と堅実な芝居、時折見せる子供っぽい表情と憂いを帯びた顔立ちとのギャップが魅力。
今度は根本さんの天津が、あんなシーンをやったりあそこを通ったりあの人と激突するかと思うだけでワクドキ。このスペースゼロで、根本さんの主演級の殺陣をガッツリ観るのは、数年前の『BARAGA鬼ki』の土方歳三以来かもしれない。
新参キャストは実力派揃いでバラエティー豊か。
誠実な探究心からマッドドクターと化す歩蘭人の島崎信長は、演じ分けも面白くて美味しい役どころ。
怖畔の永徳が、スーアク仕込みのアクションと肉体美でファンタスティック。
中山ヤスカ&木村昴コンビの明るさがイイ。
名塚佳織、稲田徹、田中精と、他の舞台でも観てきた役者陣が活躍。
これだけの人数で、殺陣や手数も半端ないが、武器の数も多くて、武器に合わせた様々な殺陣を拝めるのも見どころ。
首や腕を斬り落としたり、胴体切断もあったり、惨たらしい場面もあるPG12扱いでもあるが、首や腕などの小道具もよく出来ていて、入れ替わりの演出も見事。
戦闘が激しい分、怪我や鬘のズレもあり、今日は冒頭の万次が危うく、槇絵の長沢さんの脚に血が滲んでいた。置鮎さんの鬘も最初はズレていたような。
二日落ちという言葉があるが、とにかく千穐楽までみんな無事に駆け抜けていってほしい。
大場達也の愛嬌溢れる八百比丘尼の語りに乗り、映像に盆に花道と舞台セットが緻密で豊か。特にスッポンの使い方が巧妙で、帝劇の『1789』とも似てる。吐が再登場時と退場時にスッポンを使ってるのも意味深い。
内容的には、怨みを断ち切ることを描いた井上ひさし氏の『MUSASHI』にも繋がるようでいたが、最後まで観ると、実は真逆だったことに気づき、軽い爽快感を得る。
親から子供へ、子孫末代まで、怨みは断ち切らせ、想いは繋げていく。これこそが人間くさい本音だろう。
変に原作を歪曲せず、豪速球ストレートに網羅、やりたいこと見せたいことを総て盛り込んだ、壮大壮絶な完成版の舞台であった。
カーテンコールでズラリと立ち並んだ総勢60名以上。
那珂村さんのパクリだったようだが、智一さんが「スペースゼロのスペースがゼロになるくらい」と笑いを取る。そしてすかさず物販の宣伝。長沢さんもフォロー。
終わってみたら、4時間20分も経っていた。
パンフレット
これだけの大掛かりの舞台。1度だけでは物足りない。
次は根本正勝さん&小西克幸さんのキャストを観劇。できれば昼公演を観たかった。

























