シアタークリエ『TENTH』
シアタークリエ10周年を記念した2部構成の舞台。
コンセプトは一度で二度楽しめる唯一無二の公演。
第1部は週替わり10周年記念ダイジェスト公演。
第1部 1/4~1/11『ニュー・ブレイン』
2009年の日本初演とほぼ同じキャストで一幕に凝縮した再演。
ニューヨークの売れない音楽家が、命をかけた脳手術を受けることで、己の夢や情熱、人間関係を振り返る物語。
初見だが、こんなにも分かりやすく、ポップでエモーショナルなミュージカルがあったなんて! タイトルを見ただけでは想像できない、心に染みる作品だった。
でもはたして2009年に観ていたら、こんなにも感動しなかったかもしれない。
死を覚悟した入院手術を私も3年前に経験したから、こんなにも涙ハラハラと感情移入できるのだろう。
メロディーの気楽さとキャストの煌めくような歌唱が、いっそう胸を熱くさせる。
石丸幹二のゴードンは、おそらく30代設定だが、見事に若々しく蘇り、柔らかく艶やかな歌を響かせる。石丸さんがとっちゃん坊やみたいな髪型で、舞台「エキスポ」の東地宏樹さんの髪型を思い出した。
ゴードンの恋人が同性だというのも新鮮な驚きで、相手のロジャーが畠中洋というのもまた目新しい。優しく包容力があるフシギな感覚のロジャーだが、石丸さんゴードンと一緒だとなぜかしっくりきてて面白い。キスやハグがちっともイヤらしくないのもグー。
ゴードン母の初風諄が、年齢を感じさせない素晴らしい歌声を披露して、それだけで感動。息子を愛し信じる心配性の気質が日本の母さんな感覚で、尚更思い入れがわいた。
樹里咲穂のローダ、マルシアのリサ、中村桃花のナンシーが、歌にダンスにと爽快チャーミング。
彼女たちに負けず劣らずキュートなのが、デブで気弱だが明るいオカマ看護師の五大輝一。笑って癒された。
初演ではWキャストだった赤坂泰彦と本間ひとしが、ビターなアクセント。
カエルの着ぐるみがツボにきて大笑い。子どもが観ても楽しめるのでは。
母親が絶望のあまり捨てた何冊もの本が、持ち主に戻ってくる光景も愉快な皮肉。
リサが小銭だと強調した"change"には、他にも色んな意味が込められていて深い。
新しい脳。新しいはじまり。新しい季節。新しい生き方。
人間の頭の中を舞台にしたディズニーピクサーのアニメ『インサイド・ヘッド』にも繋がるような世界観で、また観てみたいと思わせるミュージカルだろう。
第2部は10周年記念ガラコンサート。
石丸幹二さん中心に、本日だけ1回参加のメンツが2人。
どうりでチケットが取り難く、かろうじての後方席。
「GOLD」の石丸幹二さんと伊礼彼方さんがデュエット曲を披露。当時はフレッシュだった彼方さんだが、いまは濃いキャラを競って、石井一孝さんをイジリ抜くお茶目さ。
藤岡正明と田代万里生は「ブラッドブラザーズ」から、7歳児と15歳少年の格好で登場し、デュエットも披露。
毎回おやつタイムがあり、万里生さんから藤岡さんへ渡したのが300mlコーラ。今日は少なくていいと軽く飲んだ藤岡さんだが、追加でビスコが二袋。順番が逆じゃないかとクレームしたり、最前列センターの方にビスコを1枚食べて貰ったりと、毎回大変そうな藤岡さんだった。
石丸幹二さんと石井一孝さん、年末まではパーシーとショーヴラン。
6月上演の「シークレットガーデン」では何と兄弟で、息ぴったりのデュエット曲を披露。心安らぎ満ちてゆく。この2人で「ブラッドブラザーズ」のシニア版もイケそう。
「シークレットガーデン」で共演する松田凌くん初登場。シアタークリエさん初めての凌くんは、石丸さんや石井さんと立ち並んで自己紹介。前振りの出演だったのね。
キラキラした笑顔だが、彼の緊張感が遠目にも伝わり、ソロを歌うとなった時は、親のような心境でドキドキ見守った。何とか伸びやかな声で歌いきったが、本公演まで精進したいと本人。
そんな松田凌くんを、隣の石井さんが笑顔で気遣ったり。カテコでハケル時は万里生さんが先に行かせたり。先輩方の優しさに触れた凌くんだった。
チラシを見ると、キーマンとなるメアリーはWキャスト。
2回は観たい気分。
来週は第1部『この森で、天使はバスを降りた』で坂本真綾さん。
第2部も総勢12人の大所帯。















