ミュージカル『王家の紋章』マチネ
先週観たものとは違う組み合わせ。
宮澤佐江キャロルと平方元基イズミルは、昨年観てなかったので、再演ではぜひ観たいと思っていた。
宮澤キャロルは、期待に反して出来は散々。
メイクが濃すぎて、強情で頑固な表情が目立ち、若さから可愛げが無くなっていた。伸びやかだった声が消え、ファルセットや高音部が出てこない。歌に関しては昨年より劣化していたのでガッカリ。普通は一年経って進化するハズなのに、ボイトレや稽古を怠っていたんだろうか。若さと健気さがウリだったキャロ江から、さっぱり魅力を感じられなくなった。
平方元基のイズミルは、昨年より1.5倍は男らしく格好良い魅力を放つ。喜怒哀楽も明瞭だし、感情の移ろいも繊細に表現。歌声も凛々しく響いて、想いがしっかり伝わってくる。矢田ルカとの主従関係もしっくりくる。マモミルも昨年より良くなってたが、何倍も進化したゲンキミルのほうが私は好みだな。今回はゲンキミルを観れただけでも満足としよう。
何やら指揮者が替わったそうで、演奏が昨年と同じようなスローで緩いテンポに変わっていた。
アイシスのソロがゆったりとフルに歌われて、濱田めぐみの声量はさすがだと思うが、昨年に続き飽きてしまう。
イムホテップの年季のある存在感は必要だが、山口祐一郎が殆ど出ない声でゆうるり歌うと、途端に眠気が出る。
ミヌーエ将軍は松原剛志に替わったが、台詞が高めの声なので、重厚な感じが出てこない。
ライアンの出番や歌は少し増えたが、伊礼彼方のここぞという熱唱は殆ど封じられたままで残念。
初演と同じテンポに戻ったせいか、またもや「もどかしい思い」を4人が歌うバックで、セチが無残に死んでいく様子にウンザリする。しかも今年は、真っ赤な照明の中、板切れのようなもので身体を串刺しにされて果てていく凄惨さ。それなのに、スローな「もどかしい思い」で済ませてしまい、昨年と同じく私も「もどかしい思い」を味わうのだった。
脚本や演出は人の「死」を軽んじているのではないのか⁈
前半のミタムンの死なんか典型的。今年は赤いモールで彼女をぐるぐる巻きにさせ、横ではリボンをヒラヒラ、愛加あゆが手をぐにゃぐにゃさせるだけ。炎に包まれて焼け死んでいくシーンなのに、観るからに滑稽だった。
荻田浩一の演出は、古めかしくキャスト頼りで、アイデア不足かつセンスが無いように思う。
昨年よりは頼もしくなった、浦井健治メンフィスありきの舞台だったといえよう。
それでも、違う脚本と演出で、別の俳優のメンフィスで観たかったなと思う。
当初の目的通り、Wキャストのキャロルとイズミルは4通りの組み合わせを観られて良かった。でも今年は、新妻聖子キャロル&平方元基イズミルが最高だったと思う。
カーテンコールでは、前回と同じく、客席に振っているゲンキミルの手をムリやり右手で掴み、キャロ江の手を左手で握って、ご機嫌に愛想を振りまくケンフィスであった。
見納めの複製原画展
とりあえずミュージカル『王家の紋章』の再再演などはもう結構だ。










