ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
2011年2013年と大好評だったロミジュリが、新キャスト・新演出で再び登場。
ウィリアム・シェイクスピアの名作が、小池修一郎の潤色・演出で、赤坂ACTシアターで新たな世界の幕を開ける。
2011年版と何が変わったかって、ガラケーがスマホになってること! 神父までPC使いになってたこと!
やっぱ全ての元凶となるメールなんかではなく、この際みんなラインにすべしだよ。
バラードやデュエットやロック、劇中のあらゆる歌は変わらず魅力的で好み。特に「世界の王」は手拍子もすぐ出てきて踊りたくなる。
舞台セットや演出、細々とした台詞や動きもすっかり変更されて最初は戸惑うが、前回より分かりやすくすっきりしていて、初見者や俳優ファン向きになっている。
衣装やメイクも変わったが、キャピュレットがブルジョワ系、モンタギューが成金系に見える感じ。
今回は古川雄大ロミオ&生田絵梨花ジュリエット。
2011年版では冷たい印象を受けた古川ロミオだが、随分と表現力が豊かになり完成されている。細めの声は好みでないが、ここ一番という時は伸びやかで安定感。ただ芝居部分が妙に冷静で、ティボルトを刺す場面でも昂りが見えず機械的。落ち着いて支える雰囲気で、10歳下の生田ジュリエットとはたまに兄妹にも見える。
生田絵梨花ジュリエットの歌は可憐で伸びやか、ビジュアルも美少女系か。素直な少女時代から、ロミオとの結婚式以降でふと見せる色っぽさもイイ。
ベンヴォーリオの馬場徹は、場数を踏んだ余裕しゃくしゃくな雰囲気。大らかで頼り甲斐があるベンヴォーリオで、古川ロミオとは相性が良くてぴったり。
小野賢章のマーキューシオのビジュアルが、舞台『パパアイラブユー』の不良息子とそっくりで笑い(パパ役は山寺宏一だった)。反抗的で単純で直情的なマーキューシオで、演技力はさすが。馬場ベンヴォーリオとのメリハリも面白い。マーキューシオの歌ってこんなにもあったのかw。予想よりもよく歌いこなしていたが、高音部やロングトーンは懸命でいっぱいいっぱい。歌は今後の課題かな。
広瀬友祐のティボルトは、見た目は夏侯惇のようなイカレ具合だが、垣間見える仕草はフェルゼンの如くスマートで、悩ましさやセクシーさや前面に出る。パーティー会場では、劇団ひまわり系ベンヴォーリオとマーキューシオの攻勢に一歩引いた感があった。
今回からは「死」が影の主人公の如く、舞台にほぼ出ずっぱりで世界を闇に染めていくのが印象的。
大貫勇輔の顔をこんなにまじまじと観たのは初めてかも。古川ロミオと絡んで踊るシーンは官能的。マントバでのバーのマスターの佇まいはあるが、前回のような携帯に絡める場面もなく、ロミオにはクスリを渡すのみ。最小限の行動に抑えていて、まとわりつく運命を表していた。
香寿たつきのキャピュレット夫人は、ティボルトへの情愛は控えめ、ジュリエットへの告白はそれほど生々しさは感じられない。
シルビア・グラブの乳母は愛らしさが残り、2幕のダンスは若々しい。キャピュレット卿からの仕打ちもなく、単に日和見な普通の熟女に見える。
キャピュレット卿の岡幸二郎は厳しさが先行するが、張りのある歌声からジュリエットへの愛おしさが滲んできてジンときた。
阿部裕モンタギューは歌も出番も少なく勿体無い。
岸祐二ヴェローナ大公は凛々しい歌声だが、厳格さがもう少し必要。
この3人がラストで手を握り合う構図に、新旧ジャベールだ!とニヤけたり。
川久保拓司パリスは普通のイケメンだしまずまず。
坂元健児ロレンス神父が、歌でも芝居でも抜きん出て弾けている。ただメールだけの知らせは脚色的にも安直、神父の愚鈍さにも繋がりそう。
ストーリーや展開はやはりツッコミ満載だが、楽曲の素晴らしさとキャストの魅力とチームワーク、スタッフの働きの方が上回る。
アフタートーク。
稽古場の裏話や、公演が始まってからの感想、これからの課題について。
司会者が型通りなのか、キャストがまだ探り具合なのか、マジメな言葉で綴られて思ったより盛り上がらず。
稽古場でクリスマスパーティーをやったとか、稽古場にしてた学校の体育館が熱気もあって暑かったとか。
公演が始まってからは、丁度両親が観に来てた日に広瀬くんがチャック全開で、後から親に指摘され、以来チャックチェックを怠りなくやってると。笑い話はそのくらい。
古川雄大・馬場徹・広瀬友祐・小野賢章と、テニミュ経験者4人が出揃った、記念すべきトークでもあった。
明日はWキャストのもう1組を観劇。
今回は1階前方上手席でとても観やすかった。
明日は2階後方席、どんな風景が見られるか。







