舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺 再演
2016年春、東京・大阪を熱狂させた舞台『刀剣乱舞』の再演。
キャストを一部替え、劇場も替えて、新演出のもとで実現した。
脚本・演出は末満健一。
歴史の改変を目論む“歴史修正主義者”による「本能寺の変」への攻撃を阻止するため、12人の刀剣男士らが過去に飛ぶ話。
5月に観た初演の模様は殆ど忘れてしまったが、ストーリーはほぼ変わらず。演出や映像、殺陣や芝居などで、変更点が見られた。
CGアニメも使用のプロジェクションマッピングの映像は、とても美しく雰囲気を深める。
殺陣も随分変わったようだし、関係性や個性もより鮮烈に表現され、台詞が聞き取り易く演技や小芝居も濃密になってる気がする。
鈴木拡樹@三日月と荒牧慶彦@山姥切の二大巨頭は安定感。
佐々木喜英@宗三は、より声や動きに妖しさ。
和田雅成@へし切長谷部は、男気に力が増す。
椎名鯛造@不動幸光は、キュートな所作とかなり響く声で、初演以上の煩さと剣幕でますますウンザリ。
初演と比べて台詞に力が入り、たった半年で随分と成長したなと思ったのが、薬研@北村諒と藤四郎@杉江大志。彼らの他の舞台も観てきたが、ひと回り剥けた感じだ。
新しく参戦したのが、瀬戸祐介と健人。特に鶴丸@健人は、流れるような台詞回しで溶け込む。
窪寺昭を3回日前にも観てきたばかりなので、明智光秀をソツなく演ってるのがフシギな感じ。
信長の刀として誇りを持つ、呑んだくれでフリーダムな不動行光がキーマンのひとり。
不動と宗三、不動vsへし切り、不動vs山姥切の関係が、其々に葛藤と蟠りを生み激突するが、結果的に心の成長をもたらす話。
でもストーリー的には緩急が小さくて退屈、あまりに真面目過ぎて面白味も足りない。軍議の場面がほぼ唯一の笑いどころだが、三日月のひとり“煎餅”ギャグになってしまった感。鈴木拡樹のコミカルな才能も試される。
キャラの心情や変化も台詞のみで、イマイチ掴みにくい。
これがミュージカル「刀剣乱舞」だったら、歌詞や歌唱力でもう少し分かってくるのに。音楽の力をあらためて思い知ったが、代わりに2時間強の上演で納められていて助かった。
不動から見た織田信長。森蘭丸から見た織田信長。
鯛造くんは「戦国BASARA」では森蘭丸も演ってたんだよね。
色んな者達から見た、様々な織田信長像。
信長をしかと映さなかったし、考えてみればこういう展開は、映画や舞台にもなった『キサラギ』にも似てる。主人公でもあるアイドルの死とも共通するところ。
舞台『刀剣乱舞』は、芝居の重厚さと殺陣の美しさで魅せて、ミュージカル版と明らかにラインを引くようだ。
ただもう少し、メリハリのあるドラマ性で導き、キャラの深みを表現して頂きたい。
次にくる続編では、もっと対策を練らなくてはならないだろうな。






