ミュージカル『バイオハザード』
ー ヴォイス・オブ・ガイア ー
誕生20周年を迎えた、サバイバルゲーム『バイオハザード』の初ミュージカル化。
昨年、初舞台化された『バイオハザード』とはタイトルは似ても、キャストからストーリーまで全く異なるもの。
あちらは“ゾンビ”だったが、こちらの扱いは“奴ら”。
宝塚退団後の柚季礼音を迎え、『ガラスの仮面』のG2の脚本・演出でおくる。
アドリア海沿岸城塞都市。過去の記憶を失くしたリサ・マーチンが、少女の抗体から作れる血清を求めて、仲間と共にエーゲ海の小島を目指すストーリー。
バイオハザードというより、ミュージカル「バイオ・マクロス」という感じ。奴らと戦うよりも、俺たちの歌を聞け!ってね。
あまりに突っ込み所が満載過ぎて、面白いというより、下らなくて何度も欠伸が出る始末。
こんな非常時の村に、なんでピカピカの高級自転車が3台も⁈ ペダステにだって出てこないよ。
歌で奴らの気を引き、更に大人しくさせるとか、都合よすぎ。まんまマクロスだよ。マクロス知らない観客ばかりだと思ってるのか。
何よりまあ、都合よくB型バンザイ! w A型はザックリ見捨てるのか?
柚希礼音は退団後初の女性役、金髪で程よい筋肉質で凛々しいリサを好演。パッと見、朴璐美に似てる。ソロも含め歌もたっぷり、棒を持たせると殺陣もいっぱい、明瞭な芝居で舞台を席巻。
渡辺大輔のダン・ギブソンは頼もしいドクターだが、リサとは複雑な過去を匂わせ、危うげな苦悩の表情。キレと張りのある声と歌で男前だ。ファンも増えそう。
大輔くんと礼音さんのデュエットやダンスの相性が思ったよりもピッタリ。
平間壮一はリサに片思いの役だが、特技や得意分野も無く、結局はムードメーカー。壮ちゃん得意のダンスは最後のみ披露。
海宝直人の音楽家の存在はもっと曖昧。アクションも無く、出番もほぼ1幕のみ。2幕に兵士の兼ね役で出てたのかどうかも定かでなく。
ハニエルのKYOHEIは久しぶりに舞台で観るが、野性味が抜けて、当初は別人に見えた。2幕は兵士の兼ね役、こっちのほうが目立つ。
豪放無頼の強者は横田栄司のチャベス。愛息への愛情を見せたり、リサとはライバルだったりと、一番活き活きしたキャラ。アクションだけかと思ったら、熱い歌唱まで聞かせる。彼こそ、吉田鋼太郎さんを引き継ぎ、デスノートのリュークを演るべき。
来年は『お気に召すまま』で柚季さんとまた共演。横田さんのTwitterで曰く、直人くんのロミオは観たいね。
仕方がないとはいえ、シーンごとにいちいち心情を歌い上げ、スピード感も緊迫感も消滅。柚季さんの歌は悪くはないが、また歌うんかい、といい加減飽きてくる。
YOSHIEさん中心のダンサーは、ゾンビの群れには見えず、どちらかというとヴァンパイア風。
諸鍛治氏のアクションも、ワンパターンでイマイチ。
セットはそこそこ、結局は映像頼みの世界観だった。
宝塚風のゆるい展開とアクションなので、これはもう柚希礼音さんありき、彼女を讃える舞台であった。
今作に比べると、昨年の舞台版の方がよっぽどバイオハザードらしかったし、ストーリーとしても見応えがあった。
ここにきて、前作の良さを実感するなんてね。
終演後、柚季礼音さんのアフタートーク。どうりで客席にヅカファンが多かったわけだ。
舞台をやってきての感想のほか、無人島に行くならどのキャラと?で、大輔くんの名前を挙げていた。
宝塚版エリザベートのキャストさん達も前方席にいて、エリザベートの話にもなっていた。
映画『バイオハザード ザ・ファイナル』は12/23公開。






