末満健一の渾身の新作書き下ろし舞台が、紀伊國屋ホールで上演。
経歴がバラバラの多彩なキャストもお目当てだ。
人間の記憶が脳ではなく、「スフィア」と呼ばれる外装置に置き換えられた現代日本が舞台。
山荘「天球儀」に集められた招待客7名に仕掛けられた記憶のミステリーを描く。
殺人事件の起こらないミステリーの前フリだったが、殺人よりもヤバイ設定かもしれない。
公開中の清水玲子原作コミック『秘密』にも繋がりそうな、大人向きの作品といえよう。
紀伊國屋サザンシアターで公演中の宣伝でもなかろうが、コナンのネタに笑い、ポアロやマープルの探偵ネタが愉快。
舞台セットが結構拘り抜いて造られていて、映像の代わりに、照明や音響が芸術的で美しいこと。いわゆる耽美ミステリーものか。
『TRUMP』や『刀剣乱舞』で若いイケメンを使い過ぎたせいか、今回の舞台にはイケメンが登場しないのも興味深い。
多田直人はノーマル顔だし、加納幸和や大家仁志はかつてはイケメンだったのかもだが、今は熟練テイストだ。
松本慎也はイケメンの範疇だが、今舞台で演ってるのはマッシュルームカットで自意識過剰のアイドル役。濃い役作りで、敢えてイケメンと呼ばせないキャラだろう。
一番若い西川俊介は、俳優としてイケメンとはとても呼べない。相変わらず滑舌が悪くて、劇中の「かなしい」が「たのしい」と聞こえてしまったw。達者な役者陣の中で、西川くんの台詞を少なくしてくれたのが救いだ。
女性2人の個性が炸裂、明瞭な色合いを魅せる。
TARAKOさんの舞台『月の角度』で好演した緒月遠麻さんは、シャキシャキした演技が頼もしい。
新婚ホヤホヤで可憐な新垣里沙さんは、深みのある演技で輝く存在感。
加納さんを見下ろす緒月さんや、マツシンを嫌がるガッキーや、西川くんを診る大家さんなど、様々な関係性が面白い。
マツシンと多田さんが、先日の『大正浪漫探偵譚』とは真逆の役なのも注目。
結構使われていた小道具、雑誌「パラダイス」の表紙モデルは新良エツ子さんらしい。
舞台のキーマン「ホウシカノン」という名前も意味深だが、登場する7人の名前も何か意味がありそうだ。
疑り深い私は、あのコーヒーに何か入ってるのでは?ソファの後ろの観葉植物にトリックが?ガッキーの着ていた赤チェックのシャツ袖の長いヒモが気になるw。などと、あれこれ推理しながら観ていたので飽きなかった。
それにしても、ドラゴンボールとか八犬伝とかを連想した人もいそうだ。
もう少し練り上げて、今度はイケメンだけを集めて再演してもいいかもしれない。




