つかこうへい七回忌特別公演
『引退屋リリー』。
1989年に「予告編」として存在をあかされたが、一度も正式に上演されることはなかった幻の作品。
つかが残した古いメモ書きや口だて録音などを繋ぎあわせ、当時のプロデューサーであった岡村俊一の演出によって、つかこうへいの七回忌を機に紀伊國屋ホールで上演される。
つかこうへい未発表の新作舞台として、これが初演となる。
偽物の美空ひばりとマッカーサーとの娘が、犬島の殺人と謎を巡って、スターになるため命をかけた撮影に挑む、荒唐無稽のミステリー。
刑事に映画監督、ヤクザや島守人、更に権力者らを巻き込んで、ひとりのスターが鮮やかに舞う。
もはや、なにが真実でなにがフィクションなのか、解らなくなり頭が混乱するのがミソ。
主役の二階堂刑事には、つかこうへいの最後の愛弟子と言われる馬場徹。冒頭は声が抑えられ聞き辛かったが、膨大な台詞回しを後半で発揮。ただずっとタキシードなので、伝兵衛とも重なってしまう。
もうひとりの伝兵衛でもあった山崎銀之丞は、アドリブを交えた達者なやり手。でもDAIGOさんから恨まれないかなw。
祐真キキは小柄でスレンダーな身体にスタミナとバイタリティーを秘め、よく通る可憐な声が気持ちいい。
宮崎秋人は伸びやかな芝居で、バネを効かせた抜群の動き。鈴木裕樹はまたもコミカルな汚れ役で、目ん玉飛び出しが新たなテク。
でもDボ2人が束になっても、町田慎吾の真の通った迫真の演技とキレのあるダンスにはかなわないかな。
吉田智則は何をヤらせても、つか作品のドンで隠し玉だ。
ばーちょがたまに曽世海司に、秋人がたまに関戸博一くんに見えたw。あのテーマ曲でスタジオライフの「夏の夜の夢」を思い出しちゃう。紀伊國屋ホールはライフもよく使うからなぁ。
全編、全身全霊、力押しド真ん中で取り組むキャストが熱い。
カーテンコールの全員タキシードは壮観だが、エピローグで既に着ておいてほしくないな。
この舞台、燻っている民衆の怒りの魂が、アニメ『残響のテロル』とも繋がってるような感じで胸が傷む。刑事の立ち位置も似てる。
こちらはファンタジーでもあったが、明日からのテロルの舞台はどこまで描いてくれるのか。
本日から予告編が登場。
ズッキーはやっぱりサッカーじゃなく野球絡みかい。町田くんはやっぱり刀が似合うが、ハける時に袖幕の機材を倒してスゴイ音がしたw。銀之丞さんはここまで演ってくれるのか。
予告編までも熱いキャスト陣に盛大な拍手が贈られた。


