『NINAGAWA・マクベス』。
蜷川幸雄生誕80周年舞台は、最高スタッフと新キャストで17年ぶりに復活した「仏壇マクベス」。
シェイクスピア悲劇のマクベスを、台詞と人物設定はそのままに、日本の安土桃山時代に移し替えて描き出す。
桜の花びらや鎧兜や着物など美しくも雄々しい世界観と、歌舞伎にも重なる台詞回しは、世界を睨んだ外人好みの舞台。
役者陣の達者な芝居も相まって、和風にするだけで、関係性も 分かりやすく、今までのマクベスの中で一番感情移入させる。
全体的に聴き取れない台詞はたまにあれど、メインの皆さんは声がとても良く明瞭だ。
特に田中裕子さんの声は、凛とした力強さがあって聴き惚れそう。正直、ビジュアルを観ないほうがマクベス夫人に浸れる。
橋本さとしさんの張りのある美声にうっとり。
吉田鋼太郎さんは久しぶりに喉を振り絞っての叫び声をあげての熱演。2幕冒頭の悪魔的ボイスは『デスノート』のリュークを彷彿。
柳楽優弥さんはよく響く声で丁寧に演じきる。
市村正親さんは後半にいくにつれ、リズミカルな市村節が冴え渡る。
エリザで少年ルドルフを演った大内天くんが、マクダフ息子を高らかに全う。鋼太郎さんマクダフの男泣きに、哀しみに静まり返る客席。
柳楽マルカムと鋼太郎マクダフの命がけの決意の会話は見応えたっぷり。
こんなにミュージカルなメンツなのに、歌は一曲も出てこない。歌を殺陣に切り替えて、見事な立ち回りを魅せるキャスト陣が圧巻。
前が通路のI列席だったので、劇中で役者さんが通る通る。
前半では、さとしさんに鋼太郎さんが「そうだったんだ」とわざとらしいアドリブw。市村さんは滑るように駆け抜ける。旗指物の若者は天井が低いのでお辞儀をしながら通り抜け。間近で拝顔できる美味しさはたまらない。
同じシアターコクーンで上演した堤真一さんのマクベスの時も、座席の前が通路だったな。
あの時は緑の傘が座席に用意されて観客参加型の舞台だったが、今回のバーナムの森は桜の枝が変化していた。
マクベスの悪を上回る“悪”は復讐に他ならない。
赤穂浪士の討ち入りを思い出させる内容になっていた。
カテコの時に鋼太郎さんがコッチのほうににっこりしてくれたかな。
2回目のカテコの後で席を立って帰るお客さん。その最中に3回目のカテコがあり、期せずしてスタオベ状態。まだ2日目だものね。






