上映前に、俳優の石丸幹二さんと日本チャップリン協会会長の大野裕之さんのトークショー。
映画の見どころから、チャップリンについての思い、音楽を担当したミシェル・ルグランについてなど、豊富で細やかな内容をたくさん語ってくれたお二人。
石丸さんは、ポスターの女の子がお気に入りで、父性愛をチラッと覗かせる。チャップリン作品のオマージュではあるが、映画の根底にあるのは貧しい者たちへの労りなのだと大野さん。舞台『ライムライト』の話や宣伝もあり、主人公を演じた石丸さんも愛くるしいですよと、大野さんも褒め称えた。
日本初公開という、チャップリンの『街の灯』メイキングも流れ、お二人と一緒に鑑賞。無声だが実際の現場は賑やかだとか、完璧主義のチャップリンなので何百回もリテイクがあったとか、貴重なコメンタリー付き。
フォトセッションでは、お二人並んだものや、ハットとステッキを持つ石丸さんピン撮りもあり。チャップリンは左利きだからステッキも左でとか、チャップリンの日本製のステッキは観光地で求めたとか、詳しいウンチクも教えてくれた大野さん。
石丸さんのブルーストライプのTシャツがユニークな柄で見惚れてしまった。
昨日大阪公演から帰り、明後日はまた地方公演だという石丸さん。
舞台『ライムライト』の成功をお祈りします。
映画本編。
喜劇王チャップリンの遺体を誘拐⁉︎
ドジな二人組が身代金目当てに起こしたマヌケな犯行劇だが、騒動の裏には貧しさや弱者のどん底の人生があった。
実際に起きた事件をもとに作られた、ハートフル・コメディ。
スイス・レマン湖畔が舞台。
スラング混じりのフランス語が飛び交うが、身代金恐喝電話をする時フランス語が相手に通じず、俄か英語を勉強したりと、犯人2人の涙ぐましい努力が笑える。
電話がかかるのはチャップリンが住んだ実際の邸宅で、遺族の協力で格式ある内部や桜の樹がある美しく広い庭園も拝める。
チャップリンの墓地も出てくるが、ロケ地はそこから離れた場所だとか。
チャップリンの四男や孫娘さんもカメオ出演。
名作映像と共に、アレンジされた「ライムライト」などの音楽が、チャップリンへのオマージュをじんわりと感じさせる。
でもチャップリン関係無しに、普通にコメディとしても面白い。
ズビズビ~♪で踊る中年男2人のサマとか、電話しながらのボケツッコミとか、観るほうの願い通りのいきなりキッスとか、ツボ入りまくりで笑いがこぼれた。
動のエディに、静のオスマン。
いつの間にか愛おしくもなってくるが、「友情優先主義」の2人の間に起きる、諍いと裏切りと和解。
ほろ苦い人生の中で、チャップリンからのが贈り物ではなく、「贈りもの」なのが意味深い。
すべてはお金ではなく、共闘する友情でもない。
自分自身の居場所。
差し伸べられたのは、生きることに必要な愛であった。
恵比寿ガーデンシネマは、大野さんのご好意で、プチ・チャップリン展開催中。
チャップリンの貴重な写真の数々、チャップリン作品の過去パンフや記事なども展示。黒柳徹子さんのメッセージもあり。
お手洗いにも写真が展示され、個室扉にまでチャップリンのメッセージが。
「無駄な一日
それは笑いのない日である」
チャールズ・チャップリン
享年88歳















