舞台『ア・フュー・グッドメン』。
アーロン・ソーキンによる舞台劇。
ロブ・ライナー監督のもと、トム・クルーズ主演で映画化されたが、私は未見。
今作は鈴木勝秀の手で翻訳劇を独自解釈、大胆演出。
原作では20人に及ぶ登場人物を、舞台では7人に絞り濃密性を高める。
鈴木勝秀さんといえば、昨年の今頃、上演台本と演出を手掛けた、演劇集団円の『錬金術師』が面白かった。
今年4月に上演された*pnish*『魔王』の脚本と演出も記憶に新しい。
「A FEW GOOD MEN」は海兵隊の宣伝文句。
少数精鋭のキューバ海兵隊基地で起きた不審な殺人事件をめぐる法廷劇。
若き弁護士ダニエル・キャフィ中尉がジョアン・ギャロウェイ少佐と共に殺人事件の真相を探るが、基地のネイサン・ジュセップ大佐らの軍隊組織悪に直面する。
コードレッド(シゴキという名の集団リンチ)と、命令には絶対服従という軍の掟がキーワード。
『逆転裁判』のように弁護士vs検察官の様相でなかったのは残念だが、法廷で国家vs個人が争われるサマは『ウィンズロウ・ボーイ』を思い出させる。
「GOOD」=優秀が善良とは限らず、正義=利権となる社会。
OPとEDに流れるスメタナの「モルダウ 我が祖国」の調べが痛烈な皮肉にも聞こえる。
キャフィ役の淵上泰史さんは、純粋なる信念と青年らしい熱意を感じさせる役作り。彼の両耳が大きくてキュートで、見れば見るほどお猿さん顔と重なりそうw。
ジュセップ大佐の田口トモロウさんは、威厳と迫力の言動で、起伏激しい粘着質ある表情が舞台を盛り上げる。
法廷ではクールだが、ダニエルには人間味たっぷりに接するジャック・ロス検察官の小西遼生さん。スマートで好演だが、やはり主役の引き立て役であり、物足りなさはある。
ドーソン兵長の平埜生成くんは、ストイックで熱い芝居がいいが、冒頭の長台詞には明瞭さが必要。
たった7人なので、他の重要なキャラも電話ボイスや照明だけで表現。
人間ドラマとしては厚みが半減されたかもしれない。
もう一人の容疑者ダウニーや、参考人マーキンソンは、こちらで想像するしかない。被害者サンティアゴはどんな顔立ちだったんだろう。
軍隊階級がキモの内容なので、人物の苗字と名前どちらも把握しとかないと混乱しそう。
軍隊ならではの姿勢や所作はよく表現されており、軍仕込みの刈り上げ短髪も新鮮に映る。
広い舞台をいかに使うかよく練られた演出。
金網奥が「軍」、上手側が「国」、下手側が「神」を表現しているのか。
下手通路をゆっくりと歩く瀬奈じゅんさんに照明が当たり、まるで女神のように輝いて見えた。
判事や証人席のある舞台センターは「人」を表すのであろう。
劇中で海兵隊員が「軍・国家・神」と叫ぶが、神と国との間には、人=Menが存在するのを忘れた人達を裁く話でもあった。
こういう舞台は、銀河劇場のような箱でなく、密接な空間を提供する新国立小劇場かシアタートラムのほうが相応しいと思う。
前方センター席で濃密な時間を味わえたが、端席や2階3階席からでは、旨味も半減されるだろう。
アフタートーク。
カーキの海兵隊Tシャツに着替えて登場する3人。生成くんだけネイビーの海軍Tシャツで沈黙を装う雰囲気。
事前募集した質問に答える4人。阿部さんがMCなのかな。箱の中から自分が取り出した質問に自分だけ答えるやり方。
皆さんの役作りを聞かせてくれたのは貴重。自分の役以外でやりたい役では、ジュセップ大佐をいつかやりたいと言う遼生さん。今の遼生さんにはムリそうだが、人間臭いキャラは遼生さんに似合いそうで、確かにやり甲斐はある。
ところが生成くんが、箱の中に入ってる質問をどんどん取り出して、興味深くたどたどしく全てを読み漁っていて、残された3人はポカーン。
その中には鈴木勝秀さんの印象とか、稽古の様子とか、あれこれ含まれていて、皆さんちょこちょこ答えてくれた。
でも、こんなに箱の質問を漁る人を初めて見たよ。まさしく生成くんこそ、希少価値の男の子かもしれん。
最後にロビー物販の宣伝も怠りなく。
遼生さんの笑顔を間近でずっと拝見できたし、面白いトークショーだった。
オリジナルグッズ。
お花スタンド。
















