映画『百日紅 -Miss HOKUSAI- 』。
「クレヨンしんちゃん」シリーズでお馴染み原恵一監督が、自身が敬愛する杉浦日向子の原作を初の長編映画化。
Production I.G.とタッグを組み、海外も睨んだ浮世エンターテインメントとして完成させた。
冒頭は「幕末Rock」ならぬ、大江戸ろっく!
浮世絵師・お栄はロックが似合う、ちゃきちゃき熱くてクールな女。父・葛飾北斎を「鉄蔵」呼ばわりするトコが、女版しんちゃんみたいw。
丁度200年前の話で、江戸の風景や風物誌がたんまり盛り込まれ、リアルな大江戸四季紀行。
現代と違うのは、音が繊細で激しくて美しいこと。橋の喧騒や風鈴、雪や雨音や突風など、忘れかけていた音を思い出させる。
妖怪に地獄絵に巨大観音像とファンタジー色も面白く、アニメならではの表現だ。
お栄を当てて描いただろう杏さんは、技術を超えた魂の演技でさすがのハマり役。
お栄を相手にする、松重豊さんの味わい、濱田岳さんの軽妙さも見事。
高良健吾さんと筒井道隆さんの自然な芝居も悪くない。
キーマン清水詩音さんは、感情移入させるほど愛らしい。
入野自由くんは女装が浮かんでしまう。しんちゃん&ひろしの矢島晶子さん&藤原啓治さんは少しの出番。
エッチの経験も無いのに、床シーンをあんなに描けるのか⁉︎とツッコミ。よほど当時は同性のライバルがいなかったと見える。
夏の百日紅、冬の牡丹、火事の炎に地獄の釜戸。まことに「赤」が麗しく映る。
ラストで「走る」お栄の姿に、今敏監督の作品を思い出した。
女たちの生き様や、作り手の熱い思いは、昔も今も変わらない。





