彩の国シェイクスピア ジュリアス・シーザー | アクエリアス

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彩の国シェイクスピア・シリーズ第29弾『ジュリアス・シーザー』。
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ご存知、将軍シーザーと、彼を暗殺したブルータスとキャシアス、暗殺者達と戦うアントニーの運命を描く。
メイン4人を演じるのは、阿部寛(ブルータス)藤原竜也(アントニー)横田栄司(シーザー)吉田鋼太郎(キャシアス)の当代の人気実力俳優。
タイトルロールのシーザーは早々と一幕で退場、二幕以降は戦闘戦となるが、重要なのは本役と同時にローマ市民を演じた総勢30名程の民衆たちだ。実はこの作品の裏主人公は民衆たちなのだ。
だからオープニングは、誰もが同じような現代衣装を纏い、同じように出番を待つ。誰もが、観客もが、民衆の一部なのだ。

民衆を反映して、今舞台はとにかく 客席通路使いの演出が多い。通路での芝居も多く、間近で拝める楽しみもある。
特に鋼太郎さんは二幕で女性客の胸で泣き崩れたりと、誰よりも市民に近い。その女性客も鋼太郎さんの背中をポンポン撫でて、まるでお母さんなアドリブシーンで、目の前で観てて笑わされた。
舞台上には目一杯高く幅広い階段が積まれ、階段上で芝居したり階段を転げ落ちたり滑ったりと、俳優の足腰と腹筋が存分に試される。
この20段位の階段こそが、ローマのトップを競うエリート達の象徴で、男達の奮闘と愛憎が繰り広げられるという趣向。

ほぼオールメールキャストだが、今舞台はスキンシップもやたら多い。
男達が抱き合ったり、顔や脚に触れたり、ガッツリ握手したり、しがみ付いたりと、ボディタッチの嵐。
特に暗殺共謀者たちの絆は深く、男達は集団でないと何も出来ないのか、集団だからこそ大胆不敵なこともやってのけるのかと思う。
狙っているとはいえ、つい阿部寛さん×鋼太郎さんを妄想しちゃう。今回の鋼太郎さんは男だけど、立ち位置は“女”。シーザーへの嫉妬を吐露し、ブルータスを巧みにたぶらかし、めちゃくちゃダダこねたり甘えたりと、小悪魔だと思えば納得。赤い布も艶めいて、ブルータスに抱き締められながら首を上げる表情はとても色っぽい。
鋼太郎さんだからこそ、キャシアスのキャラが深まり愛らしく思えた。

今回、男子高校生の団体が客席の半分以上を埋めていて、女性トイレが珍しく空いていたw。
この作品自体シェイクスピアには珍しく、日本の武士道を彷彿とさせる、男達の義理人情の世界のようだ。今の男子高校生にはぴったりの題材かもしれないw。

義理人情というと、有名な演説合戦では、ブルータスが大義で訴え、アントニーが情で訴えるところが面白い。阿部さんは全体を広く見渡しながら語ったが、藤原竜也くんは一人一人の眼を観ながら語りかけるように心が込められていて、これはもう竜也くんの勝ちだなと思った。不覚にも竜也くんに見つめられてドキドキしたもんw。竜也くんは金髪も目新しいが、台詞一つ動き一つにも信念や力強さが滲む。隈取りのメイクをした目力には、新生・藤原竜也の魅力が溢れていた。
アントニーと、後から馳せ参じたオクテヴィアスとは握手はしない。後の権力闘争を予感させるが、階段トップに立つ彼らのバックで巨大に輝く赤い月が不気味だ。
他方、キャシアスとアントニーは言葉少なに別れる。まるで「涅槃で待つ」のような覚悟だ。そんな2人も自殺はせず、己の其々の家臣に剣で殺して欲しいと懇願する。躊躇う家臣を自ら抱き締めて剣に飛び込んでいき、最期を見届けさせようとする。2人ともあくまで、人と人との情や触れ合いや体温を大切にする「人間」だったのだ。その夥しく流れる赤い血の温かいことよ。アントニーらの赤い月と、ブルータスらの赤い血。その対比が見事だ。
手を下させられた家臣達は、いわば民衆の立ち位置。民衆らの手でもぎ取った勝利であり、共和制を取り戻した瞬間だろう。だがオクテヴィアスの登場は、共和制の終わりも告げていたのが皮肉だ。
オクテヴィアス役の松尾敏伸くんは大抜擢かな。ちょい北村一輝さんに似た顔立ちで、今後が楽しみか。元Dボの中村昌也くんも長身で目立ち、後々ブルータス絡みで美味しい役所だ。長身の星智也くん、前半目立った大石継太さん、不動明王のたかお鷹さんが印象的。
同じ劇場で上演された『アントニーとクレオパトラ』を思い出す。竜也くんがやったアントニーも今は凛々しいが、後に鋼太郎さんがやったアントニーみたいに美女にメロメロになるのかと思うとw。そういや鋼太郎さんの劇団AUNでも『アントニーとクレオパトラ』をやったね。
お花スタンド。
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8月に上演された、シーザーとキャシアスの『有馬の家のじごろう』を思い出す花スタンド。
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彩の国さいたま芸術劇場は開館20周年。
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駅に隣接するビルでも祝展示。
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学校前のお馴染みの手形。
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