2階のA列席だったが、思いのほか観やすかった。
後ろに立ち見までいる盛況ぶりだ。
ストプレの舞台では何度か観たが、ミュージカルとしては初見。
脚本・作詞・演出は荻田浩一さん。日本版オリジナル・ミュージカルだという。
2005年の初演から8年ぶりの再演で、メインキャストは変わらず。
知っているストーリーだが、歌や楽曲を加えることで、登場人物の心情がより明確に巧みに表現されていた。
特に一幕は、歌詞に台詞を乗せた流れるような展開で、質の良いミュージカルとして纏まっていたと思う。
迷路を模したようなカーブのある舞台セットが変幻自在に変わり、人物の気持ちを反映してるようだ。
チャーリィ・ゴードン役の浦井健治くんは、役に近づいた実年齢になったのかな。天真爛漫な笑顔とあどけない声で魅了。手術後は人の本質と過去の記憶で苦悩していく知的人物へと変貌し、達者な演技力を発揮。力強く伸びやかで、真に迫る歌声は素晴らしい。
赤い衣装が印象的な安寿ミラさんの慈愛に満ちた美しい歌、3役を兼ねてパワフルな宮川浩さんの逞しい歌声が胸に響く。
森新吾くんの滑らかなダンスは、アルジャーノンの気持ちを高める。
良知真次くんはニーマー教授とパン屋のギンピィ役。どちらも若々しいが、浦井チャーリィのヒール役としては最適か。
高木心平くんは助手のバートを誠実に表現。
秋山エリサさんのフェイが賑やかボイスで楽しい。
ただ、劇団昴のストレートプレイと比べると、長いばかりで物足りなさ感が残る。
母親との再会も曖昧だし、チャーリィとアリスのラブシーンに博士の歌声のバックと、楽曲にもチグハグ感がある。
ラストは花束も豪華に明るいバラード調で包まれて驚く。私の記憶では深いブルースで覆われたラストだったので、イメージのギャップに戸惑った。瞼まで出そうになった涙が引っ込んじゃったもの。
キャストや観客の年齢層も若くなったせいか、アルジャーノン初心者や若い人向けの『アルジャーノンに花束を』だった。
浦井健治くんの魅力がたっぷり詰まっているので、彼のファンにはリピートしたくなる舞台だろう。
終演後、トークショー。
森くんMCで、浦井くん、宮川さん、安寿さん、良知くんの5人。
良知くん以外は続投の再演組。初の教授役の良知くんは、戸井勝海さんの分まで頑張りますと語る。
でもハプニング事で、舞台稽古で「冷蔵庫」を連発したことを安寿さんから暴露された良知くんは苦笑。
宮川さんも先程の本番で、「ノーマ」を「ローズ」と言い間違えたことを自ら告白。私も聴いていてヘンだなと思ったが、やはり台詞ミスだったのか。
ゆるい雰囲気のカンパニーで、北千住の稽古場では階下でケータリング調達する浦井くん。ある時は時期早々のハロウィンセットも調達。浦井くんの買い物する様子はDDファンにも見られていたという。
そんな浦井くんは本番では魂でぶつかってくるのでこちらも…と、安寿さんは1回やるだけでどっと疲れるという。
8年前と比べて森さんの踊りに説得力がある、と褒め称える浦井くん。いつものDDのダンスよりも疲れるという森くん。
そんなお疲れのメンツの中、ひとり浦井くんはまだまだ元気だよ~と笑顔で応えるのだった。
浦井くんは精神的にもタフな子だな。
だからこの後の出演作も目白押し。今が彼の特別な旬なのだろう。
ホワイエのドリンクコーナー。
お花スタンド。










