いのちのタッチ～Touch of Life～② 誰もがセラピスト

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Touch of Life講座について

いのちのタッチ～Touch of Life～①

ちょっとイレギュラーですが、テキストの冒頭に書いた文章をそのまま転載します。

どうしてこの新しい講座、Touch of Life 講座を開催することにしたのか、その想いを書きました。

セラピストとは、セラピー（主に薬や手術を用いない療法）をする人のことですが、本来は誰もがセラピストなのではないかと思っています。

植物も動物も、もちろん人間も、その存在自体が誰かを癒していると思うのです。なので、私の作る講座はいつも、「誰でもできる」がベースです。これを信じているし、大切に思っているので。

「誰もができる」ことを思い出してもらえば出来る。

「誰もができる」ことを意識してもらえば出来る。

そんな内容になっています。

はじめに～ Touch of Life に寄せる想い

「Touch of Life」のスタートは2019年秋。令和元年でもあるこの年、これまでの震災や豪雨被害に続き、台風19号等が千葉や長野、福島をはじめ各地に大きな被害と悲しみをもたらしました。

私は東日本大震災をきっかけに健康に関わる仕事をスタートし、各地でのボランティア活動にも参加して被災された方と多くお会いしてきました。お一人でも、少しでもお元気になられるお手伝いができればと癒しの活動をしてまいりましたが、各地で起きる災害の大きさには太刀打ちできないと、自分の非力を痛感してもおりました。

「癒し」は古来から必要とされてきましたが、大人はもちろんのこと子どもたちまでストレスを抱えた今の日本では、被災地に限らず、癒しがますます大きな役割を持つ時代といえるでしょう。

職業としての「癒し」、セラピストや施術家、治療家、ボディーワーカーの使命も大きいと思います。とくに被災地で献身的に「癒し」をしている仲間の姿は頼もしく、そして有難く感じています。

ですが広域で大きな災害が続き、被災して心身のケアを必要としている方に対して「癒し」ができる人が足りていない。私自身もできることなら一人でも多くの方のところに行きたい。でもボランティアに使える時間や経済力は限られており、今後さらに増えるだろうと言われる自然災害の予測にも、もどかしさと無力感を感じざるを得ませんでした。

その想いがいっぱいに溢れたとき、「癒し」ができる人を育てる活動をしよう！と心に決めました。

もともと「癒し」は誰でもその力を持っています。愛情をもって優しく触れる、抱きしめる、背中や手足を擦る。それが癒しになります。やり方さえ知れば誰でも思い出せる癒しの力。そしてそれは災害などの非常時だけではなく、今の社会では日常的に必要とされているし、癒しが社会を根底から支え変革していけることも感じています。

「癒し」は触れることが原点です。記録に残る最古の医療は紀元前４世紀のギリシャの医神アスクレピオスによる「手当て」といわれ、医学の父と呼ばれるヒポクラテスは自然治癒力を重視して、「医者たるものは医術についてのあらゆる学理とともにマッサージも修得せよ」と力説したと伝えられています。

「Touch of Life」は、誰でもが持っている生命の力を引き出すタッチの方法です。触れられる人の自然治癒力だけでなく、触れる人自身も自分の生命の力と喜びを感じられるものです。それは難しい方法ではなく、誰にでももともと備わっているもの。触れる人も触れられる人も、緊張や不安から生命の力を開放し、喜びから生きる活力を感じられるようになることを願って、誰もが安心安全に使えるように構成しています。

私は東日本大震災のときに「何もできない自分」を味わいました。会社員として懸命に働いてきたけれど、その自分の担当する仕事から離れたら何も持っていないことを痛感したのです。

そこから縁あって身体のケアの方法を学び、たくさんの方と出会って施術をするなかで、「あなたのおかげで失っていた希望を取り戻すことができました。元気になってもう一度やりたかったことにチャレンジします」という言葉をいただいたときに、何も持っていなかったはずの自分の手のひらが、とてもとても大切なものになりました。

私にもできることがある、自分の手のひらひとつで誰かの希望を未来につなぐこともできるということが、何よりも自分自身の喜びとなったことに気付いたのです。

被災地でのボランティアをするなかでも、被災された方が自ら「自分も何かやりたい！してもらうだけの立場からは卒業します」と、癒しの方法を習得されて一緒に活動されたり、私たちの活動の告知などで応援してくださったりする姿に触れてきました。自分も誰かの役に立てる･･･そういう思いが自分を力づけてくれるものだと感じます。

そしてそれは非常時だけのことではなく、自分の役割を感じられることは、日常を生き生きと輝くものにしてくれることは間違いありません。

まずは大切なご家族、そして身近な人を優しいタッチで癒していけますように、この「Touch of Life」を役立てていただければと思います。

皆さまのLife ～生活・人生・生命～が優しいタッチで自分らしく花開いていかれることを心より願っております。

耳つぼ美癒学協会　　

代表理事　鮎川忍