父の勲章 Ⅲ ~勲章~ | 南青山・表参道のサロンオーナー 高島なゆみのヒーリングメッセージ

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疲れている方たちへ、疲れていることも感じられない方たちへ、少しだけ立ち止まって自分自身を見つめる時間を持って頂きたい。

葬儀が終わって父の死は公表された。

新聞やニュースで父のことを知り、大勢の方からお悔やみが届いた。

 

温かなお手紙をくださる方、美しいお花をお送りくださる方、そっと包み込むような愛情が嬉しかった。

 

突然の訃報だったので、驚く方々ばかりだったが、好奇心を抑えた理由の詮索などがないお悔やみは、心が救われる。

 

一週間もしないうちに父の会社の秘書室に呼ばれ、父の勲章について打診

された。

 

「もう、一つ頂いていますが。」と言うと

「それは褒章であって勲章でない」と言われた。

 

「会長は勲章については何度か打診がありましたが、その度、お断りして

いらっしゃいました。

今回、再び勲章について打診が来ておりますが、どうなさいますか?」

と問われた。

 

父が生前いらないと言っていたのなら、家族がいただきますと言うのもどうなのだろと思ったが、姉と相談した結果、ありがたくいただくことにした。

 

父が一途に生きてきた一つの結晶が、形になって国から感謝の意を頂けることを、素直に喜びたいと思った。

 

「そんなもの、俺はいらんよ。」

と声が聞こえてきそうだが、父を誇りに思う一つの形として、やはり残しておきたかった。

 

会社が主催してくれた偲ぶ会では、額に入れられて、美しく飾られていた。

 

 

パパの勲章、きれいね。

 

姉と私は肩を寄せて額を眺めた。