ちょっと養生 ~父、見舞い~ | 南青山・表参道のサロンオーナー 高島なゆみのヒーリングメッセージ

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開放 〜 広がり 〜 融合 Release 〜 Expanding 〜 Oneness
疲れている方たちへ、疲れていることも感じられない方たちへ、少しだけ立ち止まって自分自身を見つめる時間を持って頂きたい。

母が入院すると、父は必ず見舞いに病院に行く。

普段は会社から病院に回るので、私が関わる必要はないのだが、
週末、どうしても見舞いに行くと聞かない。

会社の運転手さんはお休みだし、私は仕事で父の病院送迎などできないからと
言っても、母が一人で病室で寝ているのはかわいそうだと言う。

かわいそうじゃないよ、せいせいしているよ。

と何度言っても頑として譲らない。

一度言い出したら、絶対後に引かないタイプで、それを阻止するためには、
私が思いっきりキレて怒鳴りまくり、相手をキョトンとさせる以外手がないが、
今回の議題は、そこまでキレる要因を含んでいない。

しょうがないので、お手伝いさんに行きはタクシーを呼んでもらって、
父を病院まで運んでもらう段取りをした。

運転手さんに渡してね、と病院の名前、住所などナビを入れられる情報を
全部書いた紙を父に持たせた。

たった数年前までは、なんでも自分でやっていた父だが、生まれて初めて
病気をし、それを機に、周りがすっかり甘やかすようになったら、
今ではどこに行くにも運転手さんを頼りにし、何をするにも秘書の方々の手を
借りるという生活に味を占め、
色々な事ができなくなった、というより、
やらなくてもいいのだと思い込んでいる。

帰りは私が仕事場から病院に行くから、それまで病院で待っていてね、
というと、「うん、分かった」と素直にうなずく。

仕事を切り上げ、慌てて病院に。

しばらく病室に滞在し、父と帰ることにした。

車の助手席に父が座るのは大変珍しいこと。

たまに父の車に便乗させてもらうと、結構運転手さんにうるさい父も、
何故かおとなしく座っている。

毎日車に乗っているせいか、父は思いのほか道に詳しい。

杉並を通って吉祥寺の領域に入ると、「あれ、ここ、随分きれいにしたな。」

「ほら、ここ、昔よく来たじゃないか。」などと声を上げる。

「ああ、そうだったね。日曜日のご飯のお買いものに一緒に来たね。」

「ここ八幡様だな。」

          

父の声にオーバーラップして、自分の子供の頃が降るように浮かぶ。

私はずっとずっとこの街で両親に守られて生きてきたんだと、
心が熱く痛くなった。

初詣、七五三、毎年の夏祭り、御酉さま。

いつでもこの八幡さまに守りを頂いてきた。

病院通いに、父の世話、なんか疲れる~と思っていた自分に、
八幡様が見せてくれた子供の私。

「ありがとうございます。」

八幡様の交差点を曲がりながら、心の中で御礼を言った。

自分の心が感謝の気持ちで溢れている。

感謝の気持ちって、とってもいい養生になる、と改めて感じた。