アーユルヴェーダにおける最も大切な概念のひとつに”アグニ”があります。アグニとは消化力のエネルギーです。

消化といっても食べものを消化するだけでなく、心に生じた感情や考え、目や耳から受け取った情報など、私たちが外界から取り入れたものを完全に消化できたとき、”オージャス”とよばれる生命エネルギーが作られます。アグニのエネルギーが弱まって私たちが摂取したものを十分に消化できないとき、”アーマ”とよばれる有毒な残渣物が体に蓄積します。この有毒な残渣物がたまってくると、心身をめぐるエネルギーの流れが悪くなり、最終的に病気という形で現れることになります。


不消化な経験や感情も食物と同じように有害な残渣物となり、心に蓄積します。この心の残渣物は、感情のエネルギーの流れを滞らせ、恐れ、怒り、心配などのネガティブな感情を生み出し、精神的な苦痛をもたらします。ですから、健康な心身のためには強いアグニを維持することこそが、重要であるのです。アグニを強くするために、どんな食事をとればいいのか、どんな生活を送ればいいのか、どんな運動を行えばいいのか、などが大切になります。しかし、それはその人が生来持つ体質によって変わってきます。
以下、アーユルヴェーダにおける体質についてお話したいと思います。


アーユルヴェーダにおける3つの体質(ドーシャ)

誰かに勧められたり、テレビやインターネットの情報で体にいいといわれる食べ物を食べてみても、今一つ自分には合わない感じがしたり、逆に体調が悪くなったりという経験はありませんか?また、友人があるエクスサイズを始めてとても体の具合がよくなったといわれて、同じエクスサイズをしてみても疲れるだけだったり・・・。
アーユルヴェーダでは、”万人にいい(または悪い)食べ物はない。あなたにとっていい(または悪い)食べ物があるだけである。”と言っています。その人の体質が違うと、ある人にとってはとてもいい食べ物でも別の人にとっては有害になることさえあるのです。
運動にしてもある人にとっては、とても元気になれるのに、別の人にとっては心身のバランスを崩して体調を悪化させるだけかもしれません。ですから、自分の体質を知って、自分の体質にあった食物、運動、生活習慣を取り入れることによって、心身ともに健康で、自然のリズムに沿って楽に生活することができます。
アーユルヴェーダでは、心と体の基本的な性質を表す3つの体質(ドーシャ)があり、ヴァータ、ピッタ、カファといいます。
多くの人は、生来この3つのドーシャのうち優勢な1つないし2つのドーシャに主に影響されます。

ヴァータの基本的な性質は、風のように“変わりやすい”で表されます。ドーシャは遺伝的な要素が強いため、民族によって大まかな傾向があるのですが、日本人はこのヴァータタイプの人が多いように思います。

ヴァータタイプの特徴生来痩せ型で華奢な体形をしています。手足は冷たく冷えやすいです。胃腸の調子は変わりやすく、気分によって食欲にムラがあり、ときに大食いしますが、体重がたいして増えません。お腹にガスが溜まりやすく、便秘しやすいです。動作は素早く、物事をてきぱきとこなします。素早く新しい事を理解しますが、忘れるのもはやいです。熱中しやすく、精力的、創造的ですが、一方で疲れやすく、しばしば頑張り過ぎてしまいます。熱しやすく冷めやすい、変化を好み、気分が変わりやすく予想できません。ストレスに対して心配や不安を感じ、自分を責める傾向にあります。睡眠は比較的短く、夜眠れないこともあります。

ピッタの基本的な性質は火のような“熱さ”です。
こんな”熱〜い”人、あなたの周りにもいませんか?

ピッタタイプの特徴体型は、中肉中背で筋肉質。皮膚は温かく赤みを帯びており、日焼けすると黒くならずに真っ赤に炎症します。
そのため、日に当たるのを嫌います。消化力が3つのドーシャの中で最も強く食欲旺盛、30分でも食事時間が遅れるとひどく空腹になります。食事を抜くと我慢できずイライラします。しばしば喉が渇いて冷たいものを好みます。明るく、自信に溢れ、勇敢です。知性的で聡明、分別があり、きちんと正確に行動します。人前で話すことが得意で、よきリーダーになります。自分の意見を主張し、議論を好み、ときに批判的です。一方で頭に血がのぼりやすく、ストレスに対しては、怒り、イライラ、攻撃的になり、他人を責める傾向があります。

カファタイプの基本的な性質は“のんびり”です。
最も幸せにみなされるカファですが、バランスを崩すと、執着が強く、強欲、頑固で独りよがり、変化を嫌い、無気力、怠け者になります。

カファタイプの特徴体型は大柄でずんぐり太りぎみ、頑丈で最も体力があります。皮膚は色白、オイリーでしっとりなめらかです。カファタイプの人は、すべてがスローです。食べるのも消化もゆっくりですが、食べることが好きで、すぐに体重が増えてしまいます。喋るのも行動もゆったりと落ち着いています。新しいことを理解するのに時間がかかりますが、一度理解すると記憶力はいいです。ゆっくり考えてから決断します。朝起きるのもゆっくりで、睡眠は深く長くときに寝過ぎてします。性格は、愛情深く、寛容で、忍耐強く穏やかです。他人の感情を尊重し、受容的で、争いを嫌い、平和を好みます。ストレスに対しては、衝突を避けて引きこもりがちです。

ドーシャ(体質)診断
すべての人は、生来、ヴァータ、ピッタ、カファの3つのドーシャをもっていますが、そのバランスによって10のタイプに分類されます。
単純な1-ドーシャタイプの人は多くはなく、大抵の人は主たるドーシャと第二のドーシャを併せ持つ2-ドーシャタイプです。ごく稀に3つのドーシャを同じバランスでもつ3-ドーシャタイプの人がいます。

1-ドーシャタイプ
主たるドーシャのみ

 2-ドーシャタイプ
主たるドーシャと第二のドーシャを併せ持つ

 3-ドーシャタイプ
3つのドーシャを併せ持つ


当サロンでは、施術する前に必ずドーシャチェックをさせていただき、一人一人の体質やお悩みにあった薬草オイルを使用させていただいてます。

癒し隠れ家A-nandah|アーユルヴェーダ専門体質改善サロン/アロマ/ヘッド|東京都板橋区
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