在宅で介護をしていても、状態が変わって家族が介護することが困難となってしまうということはよくあります。
そんなときご家族はケアマネに「施設を探してください」と連絡します。
するとこんなことを言われるかもしれません。
「施設といってもいろいろありますが。」
そう。施設(あるいは施設に近い在宅サービス)には多くの種類があり、
一般の方がその内容を把握するのはとても難しいことです。
以前に「介護施設を考える」というテーマで書いたかもしれませんが、もう一度
ひとめでわかる施設の違いについて説明いたしましょう。
大変種類が多いので、今回はまず「介護保険施設」3つをご紹介。
特別養護老人ホーム
正式名称は介護老人福祉施設。
終身型施設で24時間介護付き。
所得に応じた入居費用がかかるので多くの場合は最も安価な施設。
そのためどこも常に満床で、100名以上の待機者がいることも珍しくない。
厳密な決まりはないが、要介護3以上の人が優先入居になる傾向がある。
老人保健施設
正式名称は介護老人保健施設。
基本的には有期限施設。概ね3か月から6か月で退所して在宅か、別の施設へ移ることが原則となる。
入居の費用は所得による減額制度が使えるので比較的安価になる。
一般的には概ね1か月10万円前後。
要支援区分の人は入所できず、基本的には医療を必要とする人に限るが、
通常の施設からは「医療が必要だからムリ」と断られた人が、老人保健施設からは「この医療は老人保健施設の対象ではない」と断られるケースも見受けられる。
数が少ないが、期限付き施設ということもあり空室は比較的探しやすい。
介護療養病床
介護保険制度を利用する病院。
内容としては老人保健施設とよく似ていて、入所の条件もほぼ同じ。
通常の病院と区別しにくいが、療養病床は、一般病床での「治療」が終了しているものの、
在宅では管理が困難な医療行為や、専門的リハビリテーションが継続して必要な人が対象となる。
医療療養病床と介護療養病床の二つがあり、前者は医療保険、後者は介護保険を利用する。
必要な医療の基準がよくわからないことや、実際には医療行為がほとんどない「社会的入院」になっているのではとの批判も以前からあり、何度も廃止論があがっては延期されてきたが、現時点では平成29年に廃止予定。
次回は介護保険施設以外の入所施設について。
ケアマネジャーTAKA