今回訪れたのは、加藤七宝製作所の3代目「加藤芳朗」さんが開発した七宝フレークについてお話を伺うため。
七宝フレークはネイルサロン藍rishさんの伝統工芸ネイルに使用されています。
私はこのフレークに新たな可能性があるのではないかと考え、まずは本物を見て知りたいと思いました。
薄〜い銀箔の上にガラス質の釉薬が薄〜く付いています。
薄くて硬い、破片の先は鋭利なカッターのようです。
ネイルの素材として使用するため厚さは0.8mm、通常の七宝焼の概念を覆す製法であり得ない薄さです。
開発には1年半もかかったそうです!ただ銀箔の上に釉薬を乗せて焼くだけではなかったのです。
釉薬の作成から土台となる金属の選定、焼成具合など、七宝焼の全工程を熟知している本物の職人だからこそ生み出された代物。
失敗作も見せていただきましたが、私が見ても分からないくらいの、ほんの少しの発色の違いにこだわりを感じました。
そして、このフレークを依頼したネイリストの「本物の素材を使いたい」という想いに応えるため、七宝の新たな可能性に挑んだ加藤さんのプライドに感動しました。
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ありがたいことに、工房も見学させていただきました。
慣れた手つきで銀線をピンセットでクイクイっと形作る作業はまさに職人!!!
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これらは菓子器。
なんとも綺麗な色彩です異なる色の釉薬を使うだけではなく、釉薬の下に施した処理によって細かい煌きが色の表現の幅を広げます。
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ここは研磨する所。
尾張七宝は本研磨が命、数種類の研磨材を使用してピカピカに磨いていきます。
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今回の訪問で1番心に残ったのは3代目の「想い」
まだまだ若いんです、きっと30代前半。
なのに【尾張七宝の職人】という仕事に対して高いプライドを持って仕事に向かっている。
「依頼されたものを同じ品質で作り続けることができるのが職人。」
「職人であって商人ではない。製造元であって小売店ではない。」
頑固。
でも勉強熱心で知識も豊富。
柔軟な頭でこれからの時代をどう勝ち残るか考えている。
【生き残るかではなく、勝ち残る。】
私にはそんな攻めの姿勢を感じました。
「まだまだ出来ることはある。」
「インバウンドの流れが実感としてある。」
「エンドユーザーとの関わりもこれからは必要な時代。」
そんな話の流れで出てきた3代目の言葉
『七宝の魅力を上手く伝える中間役がほしい』
私はその中間役になるべく会社を立ち上げました。
でも、まだ、力不足。
今回の訪問で、私は七宝・職人・商品開発について無知であると落ち込み、多くの刺激を受けた上で考えさせられる事が多かったです。
職人さんの想いに応える為に私ができることは…
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最後に作品紹介
加藤七宝製作所のメイン商品「3寸 丸形 梅詰め」
この3寸の両手に収まる壺(花瓶)が可愛い
この大きさが見れば見るほど可愛く思えてきた
私の中で「あかすけ梅子」と勝手に命名
置物としてリビングや玄関にちょこんとあったら可愛い一品おススメです
3代目加藤芳朗さんのInstagram、綺麗な写真が見られます。