亀の歩みのシンガーソングライターの大橋歩美です。

 

今年の2月に読了した本。

 

『フリードル先生とテレジンの子どもたち ナチスの収容所にのこされま4000枚の絵』

第三文明社

野村路子

 

 

 

 

チェコのプラハから北西にある要塞都市のテレジーン。

(本では、テレジンと表記されていますが、チェコ語の発音としては、テレジーンの方が近いです。)

オーストリア帝国時代に、ハプスブルク家の女帝マリア•テレジアの名前を取って作られました。

 

その要塞都市を、ナチスドイツが台頭してチェコを保護領にした時は、本当に罪を犯した犯罪者だけではなく、体制にとって危険分子と見なされた文学者、芸術家(画家、作曲家などの大衆に訴える力のある人)ら政治犯の収容所にされました。

そして、多くのユダヤ人らにとってのアウシュビッツなどの絶滅収容所へ送られる前の中継の収容所としても使われていました。

 

第二次世界大戦中においてもナチスドイツによるユダヤ人への非道な行いを、国際社会は疑いを持っており、赤十字の視察団がテレジーンを訪問することもありました。

 

ですが、事前にそのことを把握していたナチスは、非難されることを避けるために、その日に合わせて事前に準備するという狡猾なこともやっていました。

テレジーンに収容されている人々は、清潔な服を着て、衛生的な環境下で、音楽や絵画を思うまま楽しめる場所であるように見せたのです。

 

ですが、その事に関わらず、ある時期までは、テレジーンでは、ナチスが認めない前衛音楽などを除いては、芸術活動を許されていました。

親から引き離された子供たちや、作家、画家、作曲家たちは、テレジーンで実際に生きていたことを残すため、生きていることを忘れないため、思う存分作曲や絵画も行っていました。

その中で、ユダヤ人の子供たちのために自ら進んで絵を教えようと動いた人がいました。

 

それがドイツ人女性のフリードル先生です。

家にある画材を持ち出してテレジーンへ赴き、子供たち自身が、生きていることを実感できる時間が少しでも長く続くよう、懸命に絵を描くことを勧めました。

フリードル先生により、子供たちは、絵を残すことができました。

 

この時、フリードル先生から絵を教わり、その後、絶滅収容所は送られたものの、運良く生き残ったわずかなユダヤ人の内の1人の女性により語られた、当時の収容所までの道のりや、収容所での生活、移送された時の話、生き残って終戦を迎えたその後についてまでも記載されていました。

 

チェコ人の作曲家でテレジーンに収容された人々の残した楽曲を、後世に録音したCDや、作家による詩、そして、子供達の描いた絵など、当時のテレジーンで実際に生きていた人がいたことを示す作品が多数残っていることで、往時を推察することができます。

 

もうすぐ死ぬことを考えながら生きるのは怖くて仕方がないだろう。

死ぬことを忘れて生きていることに集中することができない人も少なからずいたのではないだろうか。

ひたすら恐怖心を覚えながら、恐怖心を隠して、自分を騙して生きるのは、簡単なことではないと思います。

泣き叫んで壊れて、その場で銃殺されてしまった人もいたのではないかとも思います。

戦争は酷いです。

平和を享受しながら生きて生活していたことを忘れて、自分が被害を被ることを恐れて、指示されるがまま人を殺してしまう。

殺されてしまう。

何のために生きているのかと言うことすら、考える余裕もなくなる。

 

 そんな時代に、子供達に手を差し伸べたフリードル先生は、テレジーンで疫病に感染し亡くなってしまいました。

 

苦しい時代に、正しいと思ったことを貫き通せるのは、相当な意志の強さがないと難しいことだと思います。

大半の人は、自分の命を守るために意志を貫けずにやりたくないことを無理にでも実行する方に流されて、目をつけられないようにすると思います。

 

チェコの歴史は、ヨーロッパ全体の歴史にも影響を受けて、長い争いの時代や、支配されることばかりの黒い歴史の方が長く続き、今日に至ります。

チェコの歴史の断片を知ることで、より長い期間のチェコの歴史と、チェコと関わりのあった周辺国の歴史を知ることにも繋げられるので、とても興味深いです。

知り、想像することで辛い気持ちにもなると思います。

 

ただ、辛い歴史を知り、過去の反省を生かして、未来に繋げていけるならとても有益なことだと思います。

チェコへの興味関心が少しでも湧いた人は、是非、テレジーンで起きていた歴史にも触れてみてください。

 

 

 

是非一番下までスクロールしてご覧下さい(更新 2024年2月29日)。

 

シンガーソングライター

独自の視点で描いたメッセージ性のある歌詞と耳馴染みの良いポップス、ロック、ポップロックを中心としたメロディーを、薄い倍音がかかった中音域がよく響く声で歌う。

 

胎教音楽としてリチャート・クレーダーマンのピアノを聴いていた(らしい)。

幼稚園入園前から家にあったキーボードで聞こえる音を再現しようとする。

5歳でヤマハのグループレッスンに入会、歌とエレクトーンで音に親しむ。

グループレッスン閉鎖で8歳からヤマハでピアノを習い始める。

学校は苦手だったが、小学校にあった色んな楽器や、音楽の時間の合唱を楽しむ。

中学生ごろから作詞作曲もどきを開始。

高校のオーケストラ部でバイオリンを始めた一方、ピアノはスランプに。

大学の短期留学中、派遣留学生用の特別プログラムとは別に、派遣先大学の音楽部のオーケストラの授業にオーディションを受けて参加。

大学卒業後は、色んなアーティストのライブを観覧しながら音楽の道を模索。

東日本大震災の翌年からボイトレ、作詞作曲、ピアノ弾き方りの勉強を始め、がむしゃらに色んなジャンルの音楽を聴きまくり、コードを初めて習い、ライブ活動もほどほどに行う。

コロナ禍の始まる直前の2019年末からYouTubeにピアノ弾き語り動画を不定期更新開始。

 

現在は、ボイトレと並行してDTMと動画編集も勉強中。

TikTokも始めました。

 

 

デザイナー

派遣社員として働いていたが、体調不良により契約終了で2022年10月から失業者となり、求職活動をする中で偶然見つけたグラフィックデザインとWEBデザインを職業訓練で半年学ぶも、現在も通院しながら求職活動難航中のため、自治体運営の各所などに相談しつつ、フリーターをやっています。

チラシ制作、名刺制作、サイトデザイン制作、簡単な動画編集、仮歌の録音など承りますので、各SNSのメッセージ機能でご連絡ください。

面識と良識のある方を優先するかとは思います。

 

 

YouTubeチャンネル

大橋歩美Ayumusicチャンネル

※イヤホン・ヘッドホン使用、もしくは、音量を気持ち大きめでの視聴推奨

 

☆オリジナル曲

NEW 

二つの絆/大橋歩美(オリジナル曲)

 

 

☆カバー曲

NEW

Hello, Again〜昔からある場所〜/ My Little Lover

 

夢じゃない/スピッツ

https://youtu.be/jKwZt_cOtEY

 

 

少年時代/井上陽水

https://youtu.be/RxAJv81sycM

 

時に愛は/奥井雅美

(劇場版『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』より)

https://youtu.be/kS79sUWiFtY

 

Komm, süsser Tod / 甘き死よ、来たれ

 (劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』) 

 

♩KAN/愛は勝つ(cover)

♩ZARD/永遠(cover)

 

 

カバー曲まとめ

 

 

SNSまとめ

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チェコ親善アンバサダー

チェコ政府観光局公認チェコ親善アンバサダー(2019年~)。

2019年、2021年、2022年のチェコフェスティバルで、チェコの歴史、文化、音楽についてのプレゼン&ライブを行った。

チェコ語も学習中(2020年~)。

 

高校で所属していたオーケストラ部で、演奏旅行へ行く機会をいただき、人生初の海外旅行でドイツとチェコへ。

プラハ城(大統領府)内のスパニッシュホールでの演奏や、プラハの旧市街の街並みをみる観光のありがたく貴重な体験から、御伽の国のような街並みをいつかまた見てみたいと思い続ける。

 

現在は日本で触れたチェコ体験をSNSで発信するなど、活動中。

 

ブログテーマ「チェコ親善アンバサダー」まとめ(アメブロより)

【チェコ共和国】出演動画一覧

チェコの音楽スポット

 

 

写真撮影、文 大橋歩美

機材 iPhone12mini