◎まず、今回は画像が多い事をご了承ください。
今回は(も)とあるリサイクルショップのジャンクコーナーにあったキャノンの「FD 135mm F3.5」の初期型なんですが、この銀枠デザインとレンズ構成がゾナーなのが好きでつい買ってしまったものです。
ゾナー構成はレンズが重いのですぐに分かりますが、キャノンは1948年の「セレナー135mmF4」から135mmをゾナー構成で製造し、1976年の「FD135mm F3.5 S.C. (II)」からエルノスター構成へ変更されました。
きっと中玉の貼り合わせレンズが巨大で重く、材料費も掛かるのでエルノスターになったんじゃないかと思いました。
(135mmf2.8のゾナーの中玉は小さいミカンくらいの大きさがありますw)
状態は「カビ」、「ヘリコイド重い」、「絞り羽根の動きが渋い」の三拍子です(笑)
イエスは再び言われた。「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」
私たちが今生きているこの世は、罪という暗闇の支配する世界ですが、世の光であられる主イエスの御言葉に聞き従うならば、そのただ中にあっていのちの輝きに満ちた生涯を歩むことができますから感謝いたします。罪と死の法則に束縛されることなく、世の光、地の塩として、神の栄光を証する日々を歩む私たちでありますように。
①Canon 「FD 135mm F3.5」初期型
1970年7月発売 当時の価格は19.900円 重さ: 480g
レンズ構成: 3群4枚(ゾナー構成) 絞り羽根枚数: 8枚 最小絞り: f22
最短撮影距離: 1.5m 最大撮影倍率: 0.098倍 フィルター径: 55mm
外寸: 66x83mm
構成図を見ても中玉の大きさがとても大きいのが分かります。
②それでは分解整備していきます
A: 後群ユニットを取り外します。
(この時代のFD望遠系はこれを外さないとマウントが外れません)
B: 3群レンズの向きをマーキングしながら外して清掃します。
レンズ清掃のみでしたら、画像⑤⑥⑦⑪をして完成です。
C:マウントのブリーチロックを回してネジ3個を外します。
D: マウントの絞り連動リンクの入っている位置を確認しながらマウントを外します。
③絞りリング
A: マウントを外したら、この小さなピンとバネを回収します。
B: 絞りリングはグリスアップの為に外しましたが、これはバネが入っているのと、ボールが2個もあって組むのが大変なので、無理だと思ったらスルーして下さい。
絞りリングを外す時はボールが飛び出しますので、必ず袋の中で作業して下さい。
(組む時も)
あとバネの入っている方向は必ず確認して下さい。
C: 絞りリングとバネを外したら、ボール&バネ2組を回収し、清掃&グリスアップします。
D: 大きなCリングを外します。
④ここは特にやる必要はありません💦
綺麗にしたい方向けの作業です。
A: 汚いグリスを取り除く為の作業で、ネジを外し…
B: ここも外しますが…
C: ここにスペーサーが入っているので注意して下さい。
⑤ちょっと大変な前群部の分解
A: 銘板を外します。
B: この外側のロックリングを緩めたいのですが、ここはねじ止め剤が塗布してあって簡単に緩みません💦
C: ネジ部にアセトン(100均のネイルリムーバーでOK)を何回か時間を分けて染み込ませたら、ドライヤーでガンガンに暖めます。
D: これでようやくロックリングが緩み、前枠を外す事ができます。
⑥このレンズでねじ止め剤が使ってある場所です
前枠のこの部分と、前群レンズユニットの接合部に塗布してありますので注意して下さい。
⑦ヘリコイドグリス交換の為の分解
A: フォーカスリングを最短撮影距離にセットしてイモネジ4個を緩めます。
B: フォーカスリングを外しますが、鏡筒側にヘリコイドストッパーが付いているので、位置マーキングはしなくてもストッパーで止まった位置が無限遠か最短になるので大丈夫です。
C: まず最短撮影距離の位置での①メインヘリコイドの幅と②サブヘリコイドの幅を測定してメモをし、各回転方向の位置マーキングもしておきます。
次にヘリコイドストッパーの取付位置をマーキングしてストッパーを取り外します。
D: 銅のサブヘリコイドをゆっくり回し、メインヘリコイドが直進キーから外れる瞬間の位置で止めます。
この時にサブヘリコイドの移動した位置(移動した縦位置と横位置)をマーキングしておきます。
⑧ヘリコイドの分解とグリス交換
A: サブヘリコイドを固定しながらメインヘリコイドをゆっくり慎重に回し、外れる瞬間の位置をマーキングしておきます。
B: 次にサブヘリコイドもゆっくり慎重に回して外れる瞬間の位置をマーキングしておきます。
C: 外れました。
D: 灯油かホワイトガソリンを使い、古いヘリコイドグリスをブラシなどで綺麗にします。
そして固いブラシなどで新しいヘリコイドグリスを薄く塗布します。
ヘリコイドを組む時はまずサブヘリコイドを外れた位置マーキングから入れ、メインヘリコイドが直進キーから外れた位置マーキングで固定します。
次にメインヘリコイドを外れた位置マーキングから入れて回すと、直進キーの溝位置付近で止まると思いますので、サブヘリコイドを微調整しながら溝を直進キーに入れます。
そのままサブヘリコイドを動かして画像⑦のCで測定した幅②と位置で止めます。
ここでヘリコイドストッパーをマーキング位置で取り付けます。
もしここで画像⑦のCで測定した幅①に誤差がある場合、ヘリコイドを組み合わせるネジ山が1つずれている可能性があります💦
多少の誤差ならレンズをカメラに付け、無限遠の状態でヘリコイドストッパーの位置を遠景にピントが合うように調整して下さい。
⑨絞りの取り外し
A: 絞りユニットをヘリコイドから位置マーキングをしながら取り外します。
B: 次にレンズ部と分離します。
C: ロックリングを外し、連動リングを外して清掃します。
D: 絞りユニットを固定している3個のネジを外します。
⑩絞り羽根清掃
A: 取付位置マーキングをしながら絞りユニットを取り外し、バネも外します。
B: カバーを固定している3個のネジを外します。
C: 取付位置を確認しながらカバーを外し、絞り羽根の向きと表裏を確認します。
D: 絞り羽根を外し、全てのパーツをエタノールなどで清掃したら逆の手順で組み立てます。
⑪前群レンズの清掃
A: ロックリングを反時計回りに回して外し、前玉を清掃します。
B: ロックリングを反時計回りに回して外し、中玉を清掃します。
C: ゾナー構成の中玉の貼り合わせレンズはデカい!
そのうちゾナー構成のF2.8の大きな中玉も載せてみたいです。
D: 後は逆の手順で組み立てれば完成ですが、マウントを組む時は大きなレバーをロック位置で組みます。
⑫マウントの組み立て
A: 連動レバーが入っているか確認します。
B: こちらのレバーもレンズ側レバーを押しているか確認します。
後群レンズは可動レバーの押さえになっていますので、必ず最後に組んで下さい。
⑬ついでにスカスカの純正フードも修理しました
A: 固定部を分解して劣化したゴムを取り除きます。
B: こんな感じでゴムがボロボロになっています💦
C: 100均などで売ってる固めのパイプをこの様にカットします。
(カットした高さで締めこむトルクが変わります)
D: ネジを緩めた状態でカットした物を詰め、ネジを締めれば完成です。
⑭「FD 135mm F3.5」の作例
使用カメラはフルサイズミラーレスのソニーα7で、絞り値は分かる範囲で記載しています。
尚、撮影したのは夏の台風の後だったりします💦
⑮砂浜の雑草
開放F3.5
⑯台風の後の海岸は流れ着いた樹木で大変な事に💦
開放F3.5
⑰この有様です
F11.0?
⑱自然の破壊力は凄まじいですね
開放F3.5
⑲それでも多くの人が訪れてました
開放F3.5
もちろんこの後、この樹木は片づけられました。
⑳嵐の余韻…
まだ波は高かったです。
㉑どんより
F16.0
㉒NHK連ドラ「エール」の巨大吹き出しオブジェ
F11.0
㉓土手の雑草
開放F3.5
㉔花電車
F11.0?
㉕物撮り(プライズフィギュア)
F11.0
被写体は「でふぉるむぷらす フリーレン」で、椅子は100均、ポケピースはチョコパイに付いていた物です。
エルノスターもいいけど、ゾナーのこの写りって個人的に好きだったりします。
◎以上、【キャノン「FD 135mm F3.5 (初期型・銀枠)」分解清掃・作例】でした!
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