◎見るからにシンプルで分解しにくそうなキャノンの「EF35-80mm F4-5.6 パワーズーム」…。
でも中のレンズが曇っていて気に入らなかったので分解清掃してみました。
主の慈しみは決して絶えない。 主の憐れみは決して尽きない。
それは朝ごとに新たになる。 「あなたの真実はそれほど深い。」
主の慈しみと憐れみは決して絶えることなく、朝ごとに新たに増し加わるほど、豊かに私たちの上に注がれます。何故なら主なる神は真実なお方、愛とまことに満ち、ご自身を決して裏切ることのできないお方だからです。このあふれるばかりの愛を受けて、主に全幅の信頼を寄せて平安の日々を歩ませていただく私たちでありますように。
①キヤノン「EF35-80mm F4-5.6 パワーズーム」
1990年3月発売 EOS700クォーツデートと同時開発されました。
当時の価格は¥26.000 レンズ構成: 7群7枚 絞り羽根枚数: 5枚
最小絞り: f32 最短撮影距離: 0.5m 最大撮影倍率: 0.18倍
フィルター径: 52mm 外寸: 68x72mm 重さ: 205g 電動ズーム
(レンズ構成図はあくまで予想で、後発のEF35-80mmとは1群が全く異なります)
操作系はフォーカスリングやAF/MF切り替えスイッチが無く、電動ズームのボタンだけと言うシンプルに徹した造りです。
34年前にAF前提で作られたこのレンズは、今見ても未来を見据えたデザインだったのかもしれません。
②それでは分解清掃していきます
A: 保護ガラスをカニ目ツールを使って反時計回りに回して外しますが、固い時はドライヤーで暖めると良いです。
B: 外した保護ガラスを清掃します。
C: スイッチカバーの隙間に道具を入れ、カバーを外します。
D: こんな感じで外れました。
③外装の取り外し
A: ゴムダンパー(これもスイッチになっています)とボタン2個を外します。
B: スイッチには種類がありますので、組み立て時は間違えないようにして下さい。
C: マウント周辺にあるネジ3個を取り外します。
D: そのまま引き抜いて外装を取り外します。
この時点でレンズを清掃して綺麗になれば、後は組み立ててもいいと思います。
④ズームユニット分解
A: ズームユニットの鉄カバーを固定している3個のネジを外します。
B: 鉄カバーを外すときは画像Cのバネが飛んでいく可能性がありますので、慎重に外して下さい。
C: このバネを回収しておきます。
D: 前群レンズユニットを駆動しているコロ&ネジを外します。
⑤前群レンズユニットの取り外し
A: このコロには切り欠きがあり、組み立てる時は偏心コロの可能性もあるので、取り付け位置を守って下さい。
B: コロ&ネジを外した様子。
C: 慎重に前群レンズユニットを引き抜きます。
D: AF駆動ギヤはまず銅ワッシャを外し、ギヤは上に引き抜いて手前にずらす感じで外します。
⑥前群レンズユニット
A: AF駆動ギヤとワッシャを外した様子です。
B: AF駆動ギヤには向きがあるので、組み立て時は注意して下さい。
C: 外した前群レンズを清掃しますが、もし枠から外して清掃したい場合はここのヘリコイドストッパーを外し、前群が外れるまでの角度と外れる瞬間の位置はマーキングしておいて下さい。
レンズははめ殺しになっていますので、もし中にカビがある場合は固定枠を削ってレンズを取り出す必要があります💦
D: 電磁絞りのフレキシブルケーブルをカプラーから引き抜きますが、断線するとゲームオーバーになりますのでゆっくり慎重に外して下さい。
⑦2群レンズユニットの取り外し
A: 電子接点とウォームピン(画像⑧のA参照)を固定しているネジと板バネを外します。
できれば左上のスイッチの接点も磨いて接点復活剤を塗布しておくと良いです。
B: こんな感じで電子接点は外れます。
C: 2群レンズユニットをケーブルに注意しながら慎重に外します。
D: ズーム駆動ウォーム軸を外しますが、この時に2群レンズユニットを駆動しているウォームピン(画像⑧のA参照)が脱落する可能性があるので注意して下さい!
ここの丸印の凸部は画像Cのカムに入りますので、組み立てる時は入れるのを忘れないで下さい。
⑧2群レンズユニットの分解清掃
A: ここに入っているウォームピンを取り外しますが、このピン(砲弾形)は向きがありますので、組み立てる時は丸い方から入れて下さい。
B: 固定しているネジ3個を外します。
C: 一枚目のレンズを外して清掃します。(このレンズはここが曇ってました)
D: EMD(電磁絞り)は入れてあるだけなので、そのまま取り外せばいいです。
⑨EMD点検と3群レンズ清掃と組み立ての注意点
A: EMDはここのピンを動かしてスムーズに動くか、またリターン確認スイッチの接点も磨いておくとエラーを防げます。
B: 3群レンズを清掃しますが、ここだけプラスチック製のレンズが使われていますので、絶対に強く擦らないようにして下さい! (自分は忘れて傷付けちゃいました💦)
ハッキリ言って35-80mmなどはこのプラスチックレンズが劣化して画質を落としているとしか言いようがありません💦
C: 2群レンズユニットを組み立てる時はまずカム溝に凸部を入れ、次にウォーム軸を穴に入れてギヤが噛み合っているか確認します。
D: フレキシブルケーブルをカプラに入れる前にできれば接点復活剤を塗っておくとトラブルを防げます。
⑩組み立ての注意点
A: ウォームピンは丸い方から入れ、電子接点を付けます。
できればウォーム軸にグリスを塗布しておくと動きが良くなります。
B: 電子接点もできれば接点復活剤を塗っておくと、露出のトラブルを防げます。
後は逆の手順で組み立てます。
C: ここまで完成したら一旦カメラに取り付けて動作チェックを行うと良いです。
駆動系を掃除&グリスアップしたら電動ズームもAFも速くなりました。
⑪キヤノン「EF35-80mm F4-5.6 パワーズーム」の作例
52mm f5開放
使用カメラはAPS-Cのキャノン「EOS KISSx4」になりますので、画像の隅は評価に入れていません。
⑫道中
40mm f7.1
⑬珍しい車が…
44mm f7.1
しかも結構なお歳のご夫婦でした。
⑭所々に桜はあれど…
37mm f7.1
桜はもうすっかり葉桜になっていました。
⑮暗くなってきました
80mm f5.6開放
⑯ぼっちなドナルド
37mm f4.0開放
そう言えば最近のCMってドナルドさん出ていませんね。
⑰ドフ
35mm f4.0開放
レンズやカメラ、カセットデッキなど特に収穫無し。
⑱なか卯
35mm f5.6
ちょっと絞ると色収差が減りますね。
⑲物撮り(35mm)
35mm f4.0開放
ブックオフバザーで外人さんに取られる前に回収した「RICOH AUTO SHOT」(笑)
アメリカ人に見えましたが…。
⑳物撮り(80mm)
80mm f5.6開放
フィルター枠がベッコリ凹んでいたのを直した後になります。
㉑物撮り(プライズフィギュア)
80mm f16 最短撮影距離
(この距離だとこれぐらい絞らないと被写界深度が足りません💦)
被写体は「タイトープライズ 初音ミク Sweet Sweetsフィギュア-いちごのショート-」
初音ミクのプライズフィギュアはメッチャ種類が出ていて、自分はすでに把握できなくなってきました(笑)
◎この後発売される「EF35-80mm F4-5.6、Ⅱ、Ⅲ、USM」よりレンズ構成がシンプルなせいか、抜けが良くて綺麗に写る気がしました。
ただ、ズームリング、フォーカスリング&AF/MFスイッチが無い為に、電動ズームだと35-80mm間が3秒掛かりますし、ピントを合わせたい所になかなかもっていけない煩わしさもありました。
でも他には無いレンズだけに、使っていて新鮮な気持ちにはなれましたよ~♪
以上、【キヤノン「EF35-80mm F4-5.6 パワーズーム」分解清掃・作例】でした!