◎「あまりの荒れ果て様に解体予定である、祖父母の家を整理していて出てきた物を一部紹介」のパートⅡになります。
今回は押し入れに入っていた古いレコードプレーヤー「コロムビア ST-4228」を清掃修理して動かす内容になっています。
☆今日の聖句 ヨハネによる福音書 10:7-9 新共同訳
イエスはまた言われた。「はっきり言っておく。わたしは羊の門である。 わたしより前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。 わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。その人は、門を出入りして牧草を見つける。」
①コロムビア アナログレコードプレーヤー ST-4228
1962年頃発売 当時の価格は¥6000ぐらいと思われます。
スピード4速(16:2/3、33:1/3、45、78) モーター: ACモータ(クマトリ)
ターンテーブル:アイドラー駆動 ピックアップ:クリスタル(SP/LP切り替え)
回転速度微調整ツマミ付き ステレオ2ch: LR出力調整VR付き
補助コンセント2か所
②コロムビア ST-4228 外観
蓋が閉まった状態だと割とコンパクトで、レコードがLPだと後ろにはみ出しますが、蓋を閉めたままプレイできます。
製造は川崎工場で作られたものみたいです。
この時代のプレーヤーは蓋の裏に必ずロゴがあるものですが、昭和チックな感じがたまりません。
コロムビアは音符でビクターだとニッパー君ですね(笑)
③操作系
A: 左は速度微調整ダイアル、右はLR独立出力調整ボリューム。
このプレーヤーはちょっとスピードが速いので速度微調整があるのは助かりました。
B: 4速変速ダイアル
アイドラー駆動のターンテーブルは長期保存の際に必ずOFFポジションにしないとアイドラーのゴムが変形します💦 (これがそうでした)
C: ピックアップの針はターンオーバータイプで2種類が選べます。
こちらは通常盤のST.LP.EP
D: こちらは1970年で生産が打ち切られたSPレコード用の針になります。
④外観
A: カバーはヒンジでロックするタイプで、上手く閉めないと指を挟みます。
B: ターンテーブルはクラシックなゴムカバーで覆われた物で、EPレコードのアダプター(白)も付いてます。
C: コンセントはコロムビアのロゴが入ったものですが、何とコンセントの厚みが薄く、コンセントに入れるとスカスカです💦
出力端子はてっきりスピーカーに繋ぐものだと思っていました…
D: 底板は昔の家電で良くあるMDF材で、何とモーターと配線がむき出し💦
ここを鋭利な物でヒットすると壊れるか火災になりますね。
⑤それでは修理していきます!
やっぱりと言うか…
コンセントを入れても全く動かず(笑)
A: ターンテーブルを外すとアイドラーが長期に渡り接触していた為に錆びていたので紙ヤスリで仕上げ。
B:キャプスタンは何と割ピン固定、回転円板はイモネジ固定でした。
C: 回転円板は変形していました…
このプレーヤーは制御磁石が回転円板に入っている時に下から衝撃を受けるとこの円板が変形してしまうみたいです。
掃除して板金しました。
D: モーターの軸受けのグリスはカチカチに硬化していたので交換します。
⑥駆動部の整備
A: グリスアップしたらこんなに良く回るようになりました。
B: アイドラーのゴムは何十年もターンテーブルとキャプスタンが当たって陥没。
セメダインスーパーXが硬度的に最適だったので、盛り付けて研磨しました。
ターンテーブルを付けて回すと滑ってスキール音が出たので、表面を紙ヤスリで研磨したら直りました。
C: 速度微調整の磁石はちゃんと減速OK。
D: 変速機構のカムもグリスが硬化して動かなかったので、グリスアップしました。
⑦内部メカ
A: 中を開けて一番ショックだったのはアンプが内蔵されていなかった事です💦
てっきりこの時代だと真空管50EH5の2球構成かと思ってました…
B:コンデンサーのチェック。
C: 上は50/60Hzの切り替えで、ここのネジを入れ替えるのですが、コンセントを抜かないと感電します。
下は今では有り得ない駆動系の注油方法の指示。
D: コンデンサーのチェック。
⑧電気系統
A: コンセントが2か所付いていますが、内部の仕組みが心細いだけでなく、上限ワットの表示すらありません💦
B: 更に心細いと思った電源コードの留め方💦
C: 実は一番最初にやった整備がここのモータースイッチで、黒ずんで全く通電していませんでした。 ヤスリで接点を研磨。
D: 出力VOLはNOBLE製で、動きは重いものの、ガリもなくちゃんと可変しました。
⑨ゴムブッシュ、クリスタルピックアップ
A: ゴムブッシュは思ったより劣化していなかったので、シリコンでコーティングしておきました。
B: 針が曲がってる…
クリスタルピックアップは指で触っても出力が得られてない感じなので、死んでいる可能性が高いです。
(クリスタルピックアップの寿命は30~40年で、これは60歳💦)
C: 仕舞う時は針を痛めないようにピックアップをセンターで止めると良いです。
D: レコード針を板金、チェック。
⑩とりあえず駆動系は動く様になりました
その昔、家にあったレコードプレーヤーのターンテーブルに物を沢山乗せて回して遊んでいたら、親に見つかって怒られたのを思い出しました。(笑)
⑪テスト用に買ってきた¥100のジャンクレコードを試聴
別に何でも良かったのですが、安かったので💦
この曲、つい最近「笑点」のたい平さんがネタにしていましたね。(笑)
⑫針をレコードに落とす
うわぁ~~、やっぱりクリスタルピックアップが死んでました。
切り替えができないけど、セラミックピックアップに交換するしかなさそうです。
でもスピーカーから音は出なくても、プラスチック製のトーンアームに音がやたら響きました。
キンキンしますが、これで十分聞き取れます。
~紅茶の美味しい喫茶店♪
⑬プツップツッ…
レコードが終わった時の「プツプツ音」…
そして上下にゆらゆらと動くトーンアーム。ジャンクレコードなので曲がってる(笑)
この音楽が終わった時の切ない感じが結構好きで…(笑)
オートリターンが付いていないプレーヤーに限りますが
これだけでコーヒー1杯飲めます(笑) 早くレコードをひっくり返しなさいって!
⑭至福の時間 スピーカーから音は出ないけど
視覚的に音楽を聴けるって贅沢なのかもしれません。
今は画面をタッチするだけで音楽が聴けますから。
何もしないでゆっくりと過ごす事を現代人は忘れているのかも…
◎以上、【祖父母の汚家にあった「コロムビア レコードプレーヤー ST-4228」を修理、しかし!】でした!