ニコン「AF Zoom-Nikkor 28-80mmF3.3-5.6G」 分解・清掃・作例

 

 

 

◎正直このレンズは「ニッコール千夜一夜物語 第六十三夜」を見るまで全く興味がありませんでした^^;

 

 

 

 

記事を読んでいて【レンズは「必要悪」】のこの一言にとても魅かれたからです。

 

 

「レンズ構成6群6枚の2群ズームタイプ」と言うシンプルさ!

 

 

早速とあるドフのジャンクボックスから救出してきました^^

 

 

 

諸元: 2001年3月発売 25,000円 レンズ構成6群6枚 複合型非球面ガラス1枚 絞り羽根枚数7枚

 

 

 

最短撮影距離0.35m  最大撮影倍率1/3.5  フィルター径58mm  質量約195g 

 

 

 

 

 

①いきなり分解・清掃!
イメージ 1

まずは前群ユニットを外し、清掃します。

 

 

 

 

 

しかしながらこのレンズはコストを徹底的に追及した造りになっており、残酷な事にレンズは全て
ハメ殺しになっていますorz

 

 

なので、もし前群ユニット内部にカビがある場合はレンズ周囲のプラスチックを削って取り出さ
なければならず、ハイリスクとなります^^;

 

 

あと組む時にスペーサーが噛みやすいので注意が必要です。

 

 

 

 

 

②マウントの遮光カバーを外します
イメージ 2

電子接点の固定ネジ2本もついでに外しておきます。

 

 

 

 

 

そしてマウントを外します。

 

 

 

 

 

③気付かなかった… (汗)
イメージ 3

この時にレンズの中から割れたプラスチック片が出てきたんです。

 

 

 

 

 

良くみたらプラマウントが欠けていました…(汗)

 

 

実はこの後日、ドフのジャンクボックスやショーケースのジャンクを見たら、マウントが
欠けているレンズを2本ほど発見しました。

 

 

ジャンクでマウントが欠けている確率は30%と高く、買う時は気をつける必要があります。

 

 

しかも何故か欠ける部分は決まって絞りレバーの所でした(汗)

 

 

 

 

 

④マウントを分解し、しっかり接着します
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実は一回目で分解せずに接着したら、直ぐに外れてしまったんです^^;

 

 

 

 

 

分解して全周に接着剤を流し込んだら外れなくなりました。

 

 

 

 

 

 

⑤マウントの外枠とスペーサーを外します
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スペーサーは位置をマーキングしておくと組み立てが楽です。

 

 

 

 

 

 

接点のフレキシブルケーブルは脆いので、強い力を絶対に加えない様に注意します^^;

 

 

 

 

 

⑥スライダー2個を外します
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特に位置決めや調整はありませんが、ここで後群ユニットが入る位置はマーキングしておきます。
(実は入るツメの位置が決まっているので、マーキングしなくても大丈夫ですが…)

 

 

 

 

 

 

 

 

⑦ズーミングで移動する遮光パーツのツメを溝から慎重に外します
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その前に移動遮光パーツの組み合わさる位置を後群にマーキングしておきます。

 

 

 

 

 

これを外した途端に後群がボロッと取れますので、落下させない様に注して下さい。

 

 

 

 

 

 

⑧後群が外れた状態
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移動遮光パーツも外しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑨移動遮光パーツのスライダーを外した状態
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このパーツは外す必要はありません(汗)
こちらからハメ殺しを削って後ろからレンズを取り出して清掃するのが理想です。(2019/10/03更新)
絞り側のレンズ接着面を剥がして清掃すると、後からレンズの光軸調整が困難になるからです(汗)
レンズを固定している部分をカッターで削った後、ドライヤーで温めながらトントンと本体を叩いて取り出すしかありません。
これがとても固いので取れないかもしれませんが…
(絞り側からレンズを押して外れる事は確認済みです)
 
因みにこのパーツは外す時に接着剤で固定してあるのでちょっと大変です。

 

 

もしハメ殺しのレンズを取り出す場合は外す必要がありますが、今回はカビがそこまで繁殖していませんでした。

 

 

このパーツも入る位置が決まっているのでマーキングは必要ありません。

 

 

 

 

 

⑩後群ユニットも分解不可…
イメージ 10

レンズは全てハメ殺しで、カビが生えている絞り部分のカバーも接着です(汗)

 

 

 

 

 

細いドライバーで示している丸穴の部分3ヶ所が接着箇所。

 

 

仕方なく接着剤で固定してある周囲にマイナスドライバーを入れて軽く捻ったら…

 

 

簡単に接着部分が分離しました^^;

 

こちらから分解するのは光軸調整がかなり微妙なのでやめた方がいいです。(2019/10/03更新)

なので分解せずに超音波洗浄機で洗浄した訂正記事も後ほど載せようと思います^^;

          

 

 

 

⑪カバーは簡単に外れましたが、絞りがバラバラに…  (これは絞りを組み直した後の画像です)
イメージ 11

諦めて絞りを分解する事に^^;

 

 

 

 

 

おそらく頑張って絞りを押さえながらレンズを清掃しても、埃が残るか絞りが崩れると思います。

 

 

 

 

⑫レンズを清掃したら組み立てます
イメージ 12

この接着面にそのまま大量の接着剤を塗るとレンズのクリアランスが狂いますので、流動性の高い
接着剤を薄く塗るのが良いと思います。

 

 

 

もし剥がしてしまった時の為に非分解であるユニットの幅をノギスで測定したデータを後日改めて記載したいと思います。 (2019/10/03更新)  

 

改めて分解していないユニットの各部厚みを測定しましたので、もし分割してしまった場合はこの数値になる様に調整する必要があります。(2019/11/23更新)

この厚みになる様に固定したら、接着剤を流し込んで固定すれば良いと思います。
 
後は組み立てて完了です^^

 

 

 

 

 

 

「AF Zoom-Nikkor 28-80mmF3.3-5.6G」の作例

 

 

 

 

 

 

⑬とある大通り D90
イメージ 13

52mm f7.1

 

 

 

 

⑭とある公園 D700
イメージ 14

80mm f8.0

 

 

 

 

 

 

⑮ハナニラ D700
イメージ 15

80mm 開放f5.6

 

 

 

 

 

 

⑯ハナニラ D700
イメージ 16

28mm 開放f3.3

 

 

 

 

 

 

⑰桜 D700
イメージ 17

66mm f8.0

 

 

 

 

 

 

⑱逆光 D90
イメージ 18

80mm f7.1

 

 

 

 

激しい逆光ではありませんが、レンズ枚数の少なさが効いていると思いました。

 

 

 

 

 

⑲丸亀製麺 「コラボ限定 "うどん札"配布中!」 D700
イメージ 19

28mm f7.1

 

 

 

 

 

広角端の歪曲はちょっと大きめですが、とてもシャープに写ります。

 

 

 

 

 

⑳うどん札 D700
イメージ 20

50mm f7.1

 

 

 

 

 

 

 

 

㉑ラーメン屋 D90
イメージ 21

50mm f5.0

 

 

 

 

 

このレンズって、D700だとAFも画も完璧なんですが、何故かD90で使うとイマイチ相性が悪い感じか゛
しました^^;

 

 

 

 

㉒ドフ D700
イメージ 22

34mm f4.0

 

 

 

 

 

 

 

㉓SUGEKAE ねんどろミクさん(笑) D700
イメージ 23

80mm f11.0

 

 

 

 

 

 

 

 

㉔SUGEKAE ねんどろミクさん D700
イメージ 24

80mm 開放f5.6

 

 

 

 

 

入門用のレンズでもニコンの拘りを感じる写りだと思いました^^

 

 

欠点は欠けやすいプラマウントかなぁ… (汗)

 

 

 

 

 

 

 

 

◎以上、【ニコン「AF Zoom-Nikkor 28-80mmF3.3-5.6G」 分解・清掃・作例】でした! (^^