ある田舎
でも都会で生まれ育った秋雄くんはまだ友達にも馴れず、遊びにも着いて行きたがらずに
今日も家に逃げ込んでブルブルガタガタ
でも跡取りにと秋雄くんを養子にしたお父さんにしてみれば(都会の椎の実が弱すぎるんだ)という理屈
彼のお尻を叩いて、さあさあ遊んできなさいと送り出したものの
秋雄くん、とうとう女の子たちとゴム跳びして遊び始めて
お父さん、致し方なしと彼を連れて出かけます
サァ橋を渡りなさい
お父さん考えてしでかしたのは
秋雄くんを励まして応援して気を緩めさせておいて木登りをさせ
世が世なら虐待と通報間違いなしの所業ですが、お父さん知っていた
(今はそんな時代じゃない)と
鍛えられれば嫌でも歐と応える肉体、そして精神
秋雄くん、やがて見事に潑剌アドレナリン出まくりの腕白少年に変貌を遂げ
見事、田舎のガキ大将を鋼の歯カミカミ作戦で泣かすまで痛めつけ
友達と遊びに出かけます
(栗を一杯とってくるよ!)
勇んで出かける姿を見て、お父さん
(……あおられたよ)
丸大ハムの名コピー
(腕白でもいい、逞しく育ってほしい)誕生秘話
一巻の終わりでございます
☝️🙄丸大ハムはウソです
松竹を代表する叙情派の名匠、清水宏監督が昭和16年に発表した28分の短編は、上記載の通りです
特に凄い!深い!感動した!という事はないのですが
キナ臭い世相を嫌い、単純な日常風景にドラマを感じようとするかの様な展開は
監督の気持ちが強くはっきりと漂います
感想に併せて写真を載せようと、映像を撮ってみてウーンと思ったのは
かなり意図的に人物をスクリーンの真ん中に据えた構図を、清水宏監督は好きなんだなという事
黒澤明や小津安二郎に比べれば、まだまだ齧った程度でしか清水宏を知らない私としては
自分の晩年に対峙し得る映画監督の一人として
清水宏という人物を見つめているのです
昭和16 年・松竹
監督・脚本〜清水宏