映画感想「カポネ大いに泣く」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

映画・マンガ・小説・芝居・テレビに動物
そして大切な母ちゃんとの想い出も時おり混ぜ合わせて

書き留めてゆきたいなと、思います

『カポネ大いに泣く』(1985)


昭和初期にアメリカへ渡り、浪花節語りとして一旗あげようと悪戦苦闘した日本男児の物語
と言ってしまってよいものか
まあ兎に角FREEな清順映画
主人公たちより聞かん坊な発想は
日本の風景に無理やりサンフランシスコを登場させて
さあご覧あれと堂々胸を張って大風呂敷を広げて見せます
呆れようと嘆こうと、これがニッポン
ケチケチ貧乏鬼より怖いプロデューサー

それならコッチは鬼退治
出鱈目勝手、ゴメンナサイよと
繰り出しましょう祭りの喧騒、バカ騒ぎ
ジュリーを巻き込みショーケン焚きつけ
田中裕子に露出を頼めば

さあ出来た映画は活動写真
覗き穴からしかとご覧くださいと
そんな不思議な魅力です

公開当時に雑誌「シナリオ」に掲載された感想。無くしましたが

〜見世物小屋の(大イタチ)を楽しむような作品
生意気な二十歳は書きました(^_^)

でもその気持ちは変わらずに35年
粋を大事に、色香を愛し
ふと感じさせる哀愁に

祭り好きは酔いました

真剣な気持ちで映画を重くするより
不真面目な気持ちで儚さを見せてくれる

そんな映画を愛していた自分がいた
そんな事を思い出します
(どうやったらカッコ良く死ねるかね)
この辺りなど、死して半世紀になる割腹作家の気持ちにも近づこうとしてたのかな?
そんな想像も楽しいです

呆れるもよし、鼻つまむもよし
でも先方は叫んでる
(本邦初!摩訶不思議なる大イタチ!この世にこんな不思議が有りましょうや!さあ見るは豊楽、見ずは一生の損!足を止めたら目は此方。さあさあ入ったり入ったり、驚きたまげる大イタチだぁ!)
私は大好きな作品です

昭和60年・松竹富士配給
監督〜鈴木清順
脚本〜大和屋竺、木村威夫、鈴木岬一
音楽〜井上堯之
美術〜木村威夫
原作〜梶山季之
出演
萩原健一
田中裕子
チャック・ウィルソン
峰岸徹/梅宮辰夫
常田富士男/刈谷俊介
平田満/阿藤海
たこ八郎/牧伸二
樹木希林/加藤治子
高倉美貴/ローリー・ベリス
沢田研二