映画感想「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

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そして大切な母ちゃんとの想い出も時おり混ぜ合わせて

書き留めてゆきたいなと、思います


『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

帝国軍の残党によって組織された"ファースト・オーダー"が共和国軍を圧倒していました
レイア・オーガナ率いるレジスタンス部隊も次第に追い詰められている状態です

そんなファースト・オーダーと共和国、共通の目的が
かつて帝国軍を打ち負かした要ともいえる伝説のジェダイ騎士
ルーク・スカイウォーカーの行方でした

ルークの妹でもあるレイアは一足先に、スターキラー基地破壊の功労者であり、フォースの使い手としても素質のあるレイを
ルークが隠棲する惑星オク=トーにある孤島へ向かわせていました……

前作のラストに登場していたのでワクワク感はありませんが
やはり

ルーク・スカイウォーカーが現れると心はざわつきます

全体には、長いかなぁと思いながらも見せる力のある作品だったと思いました
気になったのは、レジスタンス側の作戦中に命を投げ出すキャラクターが出てきている事でしょうか
かつて「インデペンデンス・デイ」を見たとき、敵の大型船に体当たりするパイロットがいたので、母ちゃんと呆気にとられたものですが
まさかSWまでそうした行為を肯定するような展開があるとは
意外だったのです

この考えかたを肯定してしまうと、行き詰まったら(死)で繋ぐという連鎖が起きはしないか
そんな不安はよぎりました

ジェダイ騎士の終焉が、なにをもたらすのか
作り手にはビジョンがあるのでしょうが、私なりに今回の作品を見ていて感じたのは
生まれや血でジェダイ騎士になるのではないという事に、物語はかなり神経を注いでいたということ
映画では幾つかのエピソードで、その予感を提示していますが
私はそれが嬉しかったです

だって、誰もがジェダイになれるかもしれないって考え方
素敵じゃないですか

日本の歴史で言えば、江戸時代から戦国時代に遡ったようなもんです

士農工商を色分けし、帯刀を庶民には許さなかった時代から
誰が刀を手にしようと、誰が剣を学ぼうと自由な時代
血なまぐさいかもしれないし、危険が一杯かもしれない
でも、誰に断わる事なく腕を磨き頂点を目指せる時代

R2D2とC3PO
彼らが黒澤明の時代劇に登場する農民2人をモデルにしているのは有名な話
その映画は戦国時代を背景にしていました


つい40年もの間、SWはこうあるべきだと見る者の感性で思い描いた世界は
実はキチンと原案者、ジョージ・ルーカスの想いと今まで携わってきた者の世界観もしっかり込められているのではないでしょうか

批判に聞く多くの意見が(ディズニー版のSWになってしまうのでは)という不安が根底にあるようです
でも、もしディズニーが(誰もがジェダイ騎士になれる)という設定を考えたとしたら
案外、ルーカスはニヤリとしたかもしれない

誰もがジェダイに……

誰もがチャンスを持っている

それこそアメリカンドリームに形を変えたと思わせての
戦国時代の立身出世物語にも思えませんか

お前の親は、酒代の為にお前を売るような奴だ

そう言われるレイ
その姿に私は

貴様、百姓の出だなと言われた

菊千代を重ねていました

ジェダイ騎士になる為の制約を設けた時代こそが、実は上下関係や差別や格差を育んだのではないか
そう考えてみるのも面白いと思います

ジョージ・ルーカスの想いが、いよいよ実を結ぶのではないか?
そう感じたのです
そんな気持ちで見ると
これは凄い映画なのかもしれません♪

私はこの生き物飼いたいです
(`∀´)

(2017.12.21より転載)