「日本沈没」(昭和48年版) | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

映画・マンガ・小説・芝居・テレビに動物
そして大切な母ちゃんとの想い出も時おり混ぜ合わせて

書き留めてゆきたいなと、思います

『日本沈没』(1973)


昭和48年版です
私は公開当時は見ておらず、1982年の秋
当時の千代田劇場(日比谷)で開催された東宝50周年記念上映で鑑賞しました
「日本誕生」との2本立という、洒落にならないカップリングを
高校早退して見ています
(母ちゃんが電話して抜け出しました)

1度テレビで放送されたのを見ていましたが
いやあ、大きなスクリーンで見る

小林桂樹さんはスゴかった
そこじゃない?

たしかに
主人公の

藤岡弘さんも熱かったよね、しかも相棒が夏八木勲さんだもん
……これも違うなら

やっぱり

丹波さんだ!丹波哲郎さん
「何もせん方がいい……」

こう呟いて涙をためて、協力者の島田正吾さん

を見つめる芝居には
グッと来ますよね
( 。゚Д゚。)

……何が言いたいか

特撮を引き立てるのは、その中で生身の芝居をする俳優にも魅力がなくてはならない、という事

日本列島が無くなるという未曾有の事態に立ち上げられた研究チームのメンバー

中丸忠雄・二谷英明・滝田祐介・村井国夫
みんな真剣に、日本が無くなる心配をしていました

小松左京さんの長編を活かし、情感を強調した橋本忍さんのシナリオが効を奏していたと思います
(今見ると無理矢理な部分もあります)

そんな、感情をズタズタにしてしまう

災害

これが組み合わさり、調和がとれて初めて

日本は沈むのか?
という物語を楽しめたのではないでしょうか

前述したように、ドラマの部分は確かに落ち着いて見ると
こじつけや無理が至るところにあります

でも、劇場で見た多くの人は
男女の悲恋や民族の分散、言い知れない未来への不安を先ず感じるのです

ドライにスラスラとドラマが進行し、殉死を以て全体を収拾しようとした新版(2006)が黙殺状態なのは
その為でしょう

特撮にも情感は込められるのだと

昭和48年の「日本沈没」は伝えてくれます

地球は生きている
そう感じずにはいられない映画なのです

(2016.7.16より転載)