例えば、歌手になりたい人がいたとします。
夢を叶えるために、バイトしながら、
歌の養成所にも通って、必死に歌手になるために努力しています。
それでも、歌手になる現実は作られない
これは、どういうしくみだと思いますか?
実はこの人の望みは、もう叶っています。
それは、「歌手になりたいという夢を持つ」という望みです。
その望みを叶えるために、
「歌手になれない」という現実をちゃんと作っているんです。
もう少し、詳しく説明しましょう。

夢を持っている人というのは、
この図でいうと、「光」と「闇」を行ったり来たりする、
エゴの幻想の世界に迷いこんでいます。
本来の光=歌手になる
ではないんです。
光=歌手になりたいという夢を持つ
なんです。
エゴは夢を持つのが大好きです。
なぜか?
エゴの奥底にある「無価値観」を忘れさせてくれるからです。
エゴは「無価値観」を持っていないと存在できないのですが、
だからといって、自分には価値がないと思うのも嫌なんです。
いつだって矛盾した生き物なんです。
だからエゴとしてあり続けるために「無価値観」を持ちながら、
「夢」を持つことで、「無価値観」を少し忘れられるくらいが、
エゴにとってちょうどいいんです。
エゴは「夢」を食べて、生きていると言ってもいいかもしれません。
現実を創るしくみはいつだってひとつです。
「感じたことが現実を創る」のです。
ここで、歌手を目指している人が感じていることは、
「夢」という光で隠している「無価値観」です。
だから、夢を目指せば目指すほど、
無価値観を感じるような出来事を創り出します。
それが「夢が叶わない」という出来事です。
こんだけやっているのに、どうして夢が叶わないんだ...!
あたま君は不思議に思うでしょう。
でも、不思議なことはなにもありません。
ちゃんと、感じたことが現実になっているのですから。
でも、もうそれも飽きてきたという人もいると思うんです。
「夢に向かって頑張る」と「夢が叶わなくて落ち込む」
何度も何度も繰り返して、疲れ果ててしまっている人もいるでしょう。
そういう人が、「光」と「闇」のラットレースから抜けて、
「本来の光」にどうやって戻っていくかというと、

「夢」を持つ自分
は、エゴが作った「幻想」の自分だと気づくことです。
ひとつ、間違えてほしくないのは、
歌手になりたいと思ったということは、
「歌う」ことが、好きだったわけですよね。
その「歌うことが好きだった」感覚が幻想だったわけではありません。
それはあなたが「本来の自分に還る」ために必要な鍵になります。
しかし、そこに「歌手になりたい」という「夢(幻想)」と結びつけてしまうことで、
本来、自分であるための鍵である「歌う」ということが、
幻想に迷い込ませてしまう鍵になってしまうのです。
「歌うことが好きなこと」と「歌手になる」ことは、イコールではないのです。
「歌手になる」という未来(幻想)のために「歌う」か、
「本来の自分である」という今のために「歌う」か、
同じ「歌う」ということでも、込められるエネルギーが違います。
今出しているエネルギーが現実を創ります。
本来の自分に還った時、その歌を聞いた人々が心を動かされ、
結果的に歌手になる現実を創るかもしれない。
しかし、歌手とは全く違うことをする現実を創るかもしれない。
でも、どんな現実を創ったにせよ、
出したエネルギー(本来の自分=心地よい状態)が心地よい現実を創るので、
どんな結果でも、その人の心が満たされる現実になることは間違いないでしょう。
これは、「歌手」とか「俳優」とかわかりやすい夢を持っている人だけではありません。
自分は夢とか持っていない普通の人だと思っている人だって、
「お金持ちになりたい」「素敵なパートナーがほしい」と、夢を持っているんです。
その「夢」の裏にある「無価値観」を是非、よく見つめてみてください。
その無価値観を見つめている時、あなたはあたま君と距離を取っています。
現実というスクリーンから少し離れているんです。
その時、あなたは初めてハイヤーセルフとつながり、本来の光に還ることができます。


