今日はみんな大好きアンパンマンの話。
 
この『アンパンマン大研究』(作者: やなせたかし,鈴木一義 )を、
是非一度読んでみてください。面白いですよ♪(^O^)
 
アンパンマン好きの理科の先生が 
趣味的に作ったQ&A形式のパンフレットが書籍化されたものなんです。 
しかも、作者のやなせたかし先生が共著という形で質問に答えてくれたりもしています。 
 
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以下、2つだけ抜粋。 
 
Q.アンパンマンは、ばいきんまんをやっつけるだけで、なぜ捕まえないのですか? 
 
A.(やなせたかし) 
アンパンマンとばいきんまんは、光と影、陽と陰、 
あるいはプラスとマイナスのような関係です。どちらか一人だけでは存在できません。 
お互いそのことをよく知ってるのでしょう。 
 
 
Q.ばいきんまんは、なぜアンパンマンをやっつけようとするのですか? 
 
A.(やなせたかし) 
アンパンマンと闘うために存在しているからです。
正義は、悪がなければ成り立たないのです。 
 
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これ、すごく興味深いと思いませんか?
 
善と悪は、アンパンマンの根底のテーマです。
 
アンパンマンの中には、 
善と悪の両方の心を持ったロールパンナちゃんというキャラクターも出てきます。
 
そして、やなせたかしさんは「悪がなければ、善も存在しない」といいました。 
 
バイキンマンがアンパンマンに倒された時、アンパンマンもいなくなるんです。 
だから、バイキンマンもアンパンマンも、戦いはするけれども、 とどめは刺さない。
それは、自分自身を否定することにもなるから。 
 
 
善と悪。それは全く別のもの。
しかし同時に、二つがあって完全なのです。
 
人間にだって、良い部分も悪い部分もあります。
「自分を知る」「ありのままを知る」という言葉はよく言われるけれど、
それは「良いところ」だけでも「悪いところ」だけ見るでもダメで、
両方とも冷静に見れなければ、自分を知ることはできないんです。
 
特に、日本人は自分の悪い面だけを見て、反省して良い気になっている人が多いけれど。
自分の良い面を知って、「ここはいいところ。でも、こんな悪いところもある」と、
胸張って言えちゃったほうが、人生楽チンです。無敵です。
 
 
ちなみに、食パンマンに恋をするドキンちゃんは 「愛による昇華」を表現していて、
 善と悪を結びつける存在ではないかという考察もあります。 
 
『愛する』という行為は、「善悪」も「好き嫌い」をも超越する価値観なのかもしれませんね。