べジビエアナの里山テレビ (イノシシ狩り 4)

箱わなにかかったイノシシ。
「止め刺し」といって、心臓の上の大動脈をひと突きします。
※心構えある人だけご覧ください。

一瞬の出来ごとでした。
ひと突きした後 長い柄の先の刀が赤くなった。
鮮やかな仕事を終えた猟師えびちゃんが「本当はもっと時間かけた方がよかったんだけど」と言った。
と殺で重要なのは「放血」、つまり血抜き。
おいしくないジビエでよく血がまわってるという言い方をしますが、放血がうまくいかないと血生ぐさくなる。
おいしくするには放血が重要な手順となる
撮影しながら何かリポートなり臨場感を伝えるべきかと考えましたが、言葉は出なかったです。
初めて目にした出来ごとでした。
そしてそれはあまりに静かな終わり方でした。合掌しました。
こちらがその動画です。

猟師歴5年のえびちゃんがしとめたイノシシはこちらで96頭目。
プロの仕事は美しかった。

次はいよいよ解体です。
その前に川でゴシゴシ体を洗います。
猟師えびちゃんのイノシシ狩猟塾 べジビエアナ

千葉県南房総市

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追加の感想文
11月17日の日本農業新聞の社説の言葉が目に留まりました。
以下に引用します。

羊飼いなど農ある暮らしをしている牧師 太田愛人さん(85)著「自然からのおくりもの」より
「食は手ずから作るもので、工場が作って商社が売るものではない」
「遠からずショッピングでしか食生活を支えられない人は没落し、作り貯える人が生きのびられる世の中が来るかもしれない」
「沈黙の大地から聴き、学ぶところから食の正常化が到来するはずである」

84年に筑摩書房から出版された本です。(今はちくま文庫)
ちょっとドキッとする言葉ですがそれほど昔の話ではありません。
いまは産地と食卓がかけ離れ、お肉や野菜は「商品」になっています。
商品がいけないと言いたいのではありません。
ただあまりにも、買うものでしかなくなっている。
なのに農家や猟師にそれほど敬意が払われているとは思えない。

そこでわたくしベジアナが提唱しているのが、1億総兼業農家で日本しあわせ列島~♡
都会に住む人もみ~んなが少しずつ暮らしに農を取り入れれば、
あるいは、時々農村へ行けば、農家や農村、そこで暮らす人々と生き物に、命ある食べ物を生み出す農業そのものに敬意を払うと思います。
もっと敬意は払われるべきです。
だってないとどんなにえらい人だって食料がないと生きていけないのですから。

明日はいよいよ解体~!つづく  ベジビエアナ