~不思議の国インドの旅~2004年の巻



夏休み、インドへ行った。

ガンガー(ガンジス河)の流れる聖地バラナシ
インド国中から沐浴に訪れる人々で大にぎわいであった。
女はサリーを着たまま、男は上半身裸、子供は真っ裸で河に飛び込む。
その光景は祈りの儀式というよりも、家族の楽しい海水浴ぅ~!であった。


mokuyoku 早朝5時のガンガー


みんなが沐浴しているすぐ隣に
マニカルカーガートと呼ばれるバラナシ最大の火葬場(野焼き)がある。


焼かれる遺体を拝んでいる男性がいた。
火葬場の案内人は、遺体の息子さんだと教えてくれた。
インドでは、父親を亡くすとその息子は頭を丸めるそうである。
坊主頭になり、喪に服す男性が父親の遺体に手を合わせている目の前で、
使用人らしき子供が、煙でくすぶっている真っ黒な死体の固まりを
木の棒でバンバン叩いていた。
よく燃えるように・・・。

私と友達は火葬の煙と灰を否応なしに吸い込みながら、
バラナシがいかに聖地であるか、案内人から30分レクチャーを受けた。

この案内人、どこからともなく現れ、気づくと私達は彼の説明に
へ~とうなずいたり、え~と驚いたりした。(素直な旅行者である)。


案内人によると、ここバラナシで焼かれた遺体の魂だけが、

天国に直結していると言う。
毎日5~600体の遺体が近隣から運ばれてくるそうだ。


「フツウ人間の体を焼くと異臭がしますね。
あなたの髪の毛一本焼いてもヘンなニオイがするだろう。
でも、ここは何もニオわない。なぜなら神の宿る聖地だからだ。」
と男は言った。
確かに薪の煙以外の臭いはあまり感じなかった。
(後から聞いた話では遺体の頭髪は剃るそうである)。

輪廻からの解脱を求めてここで火葬してもらうためにインド中から死を待つ老人が集まる。
まさにその時を待つ2人の老婆に会わされた。
ありがたいお話に聞き入った後、案内人に薪代(チップ)を要求された。
1200ルピ(約3000円)よこせと言うので、
問答の末、300ルピ(約750円)払った。

人が死ぬ、それを焼く、灰を河に流す。そこに涙はない。
河で体を洗う、口をすすぐ、用を足す。不潔も清潔もない。
ここでは何もかもがありのままであった。

kao

とりあえず沐浴してみる。

ガンガーの水は冷たすぎずぬるすぎず臭いもなく、

水浴びするには気持のいい水であった。 

これで私のケガレも清められただろうか。  

着ていた白いTシャツは

茶色くなったけれど。

(北陸中日新聞夕刊2004・8・16掲載。一部訂正加筆しました)


なんだかんだ言ってもオモシロかった(幸い嫌いにならなかった)インド、

今年の夏もまた行ってしまった~。


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