人と人つなぐ食と農業

JA茨城県中央会の八木岡会長と、農業政策アドバイザーの萩谷さん、パルシステム茨城の青木理事長との座談会の模様が、茨城新聞に掲載されました。

大農業県・茨城のJAとしてこれからの農業をどう考えるか、話に参加する機会を頂き、ありがたく嬉しいお仕事でした。

座談会での内容は(新聞社の許可を頂いた)記事を読んでいただくことにして。

テーマは「つくる人と食べる人をつなぐ~農産物の価値と食農教育を考える」。

言い換えると、つくる人と食べる人が「離れてしまった」から「つなぐ」必要が生じているのが今である。

では、なぜ、いつからこの関係は離れていったのか。

この原因について考えるのを忘れて論じているのが今の農政のように思えてならない。

 

農業への「国民の理解醸成」という矛盾

 

消費者理解とか、国民の理解醸成という言葉を農政の議論で聞くたびに、首をかしげたくなる。

わかってもらおう、知ってもらおうとすると、コミュニケーションってだいたい空回りする。と思いませんか。

そうじゃなくて、相手を知ろう、相手をわかろうとするところから始めないといけない。

では、農業生産サイドから見て、消費者像ってどういう姿か。消費行動とはどういうものか。

このときに大事なのが「解像度を上げる」こと。

消費者に価値を伝えたいけれど、消費者は値段で決めるから、価値はわかってもらいにくい。では泣く泣く値段を下げるしかないのか?その結果、持続可能でなくなってきたのがこれまでの農業。(消費行動を大きなかたまり=マスマーケティングでとらえて来た結果)。 

一方、では、値段を下げずにストーリーを伝えよう。っていうけれど、そもそもストーリーってなに?

何がその人(心)に響くかは、人によって様々。ストーリーも1つあれば終わり、ではない。

正解は一つではない時代。問いの設定が定まっていない中で「適正価格」について話し合っても、あやふやな問いには、あやふやな答えしか出せない。

では、農業において解像度を上げるとは?

少なくとも、国家でものを考えずに、県単位で考える、さらに市町村単位、さらに学校区のような地域単位、というふうに「地図上」の解像度をあげるところから始めるしかない。農協も、行政も。

食と農が離れて生じたほころびが修復不能にになり、つなぎ直しの必要性を突きつけられた、最たるきっかけが令和の米騒動だった。

これにより農政に加えて、農協(JA)のあり方も問われた。

マスコミもJAの仕組みについて詳しくは知らないから、あらぬことを書きたてたりもした。

しかし、JAってこういうものです、と存在意義(存在価値)を一言では説明できなかったから、気づけばブラックボックス化してきた。(悪気なく、それゆえに厄介なのですが)。

一足飛びな解決方法(理解醸成)などない。

時間はかかっても、細やかなコミュニケーションを重ねていくしかない。

一方通行のコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーションで。

(それがこの記事にある「体験や交流」であり、「喜びの共有」であり、食育や、生きものに触れることを通して「地道にファンを増やす」ことになる)

解像度を上げるにはマスコミ、マスメディアではなく、ローカルなコミュニケーション、小さな交流、自前のメディアでの発信を続けるしかない。

そんなことを考えた座談会でした。

やはり会って話し合うとファンになる。

一見地味だけれどこれを積み重ねていけば、茨城農業の応援団は増えていくと思いました。機会を頂きありがとうございました!