ー演奏会鑑賞ー

この日は鑑賞する側でした。

勤務先で開催された演奏会。

この日の演奏は、カツァリスさんでした。

個人的には、愛知の南吉公演で弾いた作品や、今月の公演(一般のお客様は入場不可)で演奏する作品が出てきたので、嬉しかったです。

カツァリスさんのアレンジで登場した作品も、来年の公演で弾くものだったから尚更。

70代以上で現役奏者として走っていらっしゃる方を目の当たりにし、尊いなぁと。

往年のファンの方々をはじめとして、予めカツァリスさんの特性や魅力を理解されてお越しになられているお客様が、攻めのチャレンジを温かく見守られている分、会場の雰囲気が温かいものでした。

途中で一時的にアクシデントが起こっても、微笑み、温かく受け入れるお客様の姿がありました。

落ち着きを取り戻し、その後もどんどん良い演奏をされた奏者に対して、最後にスタンディングオベーションされるお客様、また「ブラボー」と伝えるお客様の姿がありました。

それらの全ての厚意に対して、奏者も壇上から感謝の意を一生懸命伝えようとされていたのだと思います。

演奏会において、音そのものを生み出すのは奏者側ですが、観客側も雰囲気を大きく作り出すということを改めて感じた1日でした。

ふと思うのです。クラシックに留まらず、どの分野の演奏会においても、特にアンコールに関しては、

・奏者の“善意”

(＝本人の体調や、会場の雰囲気を見計らった上でのサービス精神)

・入場料や経費との兼ね合い

(＝準備物が無償ではないゆえに)

・“時間都合上”

(＝ホールまでの退出時間の残りが少なければ、気持ちはあっても施せないことも)

・“プログラムとの兼ね合い”

(＝各アーティストによって「プログラムと脈絡ない曲は弾かない」「プログラムから特定の作品を2度弾くことは嫌だ」などこだわりがあるかと。)

等によって「実施するorしない」を決断されるかと思います。

時には、奏者や主催者側が既にアンコールを準備しているケースもありますが、観客に“アンコールのリアクションをしなければならない雰囲気”を押し付けてはいけないと思いますし、同じく、観客側が奏者に「アンコールがあれば嬉しい」という表現を通り越えて、「アンコールがないことはおかしい」と押し付けることも一線を越えているかと思います。