【砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない】 桜庭 一樹 | 薄荷、時々苺味

薄荷、時々苺味

ドロップみたいに色んな味の毎日を過ごしていきたい

 そして素敵な大人になれたら・・・


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これは、私が最近読んだ中で「ぴか一」に良かった一冊。。。


賛否両論だろうけど・・・

正直、読んでない人には一度読んで欲しいかも。。。



探していた本を買うついでに目に留まって、

特に内容も知らないまま題名のファンタジーっぽいキュートなイメージと、

読みやすそうな薄さで・・・


たまたま手にとって買った本。。。


もっと言えば、

ほんとは、最近「ミステリー」ばかりを読みあさってたから・・・

ちょっと頭が疲れて、路線を変更しようと思って買った本。。。

<路線変更はいい意味で裏切られるんだけど・・・



と、特に期待していたわけではなかったのに・・・


こーして読むことができて・・・


偶然の出会いに感謝感謝。。。



こんなことがあるから、

どんな本でも手にとって最後まで読んでみることはいい。。。



めちゃめちゃページ数は少ないし、

はっきりいって数時間で読み終えるんだけど・・・


その少ないページに、


甘甘な題名からは想像できないくらいの濃厚な話がみっちり。。。



いやいや、がつんと惹きつけられました。。。


そして、ずっきゅーんって心臓撃たれました。。。


すごいです。。。




内容は、

自分のことを「人魚」という美少女転校生の「海野藻屑」と、

現実から逃げて「貴族」になってる兄の「友彦」に挟まれる・・・

主人公「山田なぎさ」の話。

<だと思う。。。



冒頭に「悲しい事件」が突きつけられ、

「あれ?これは買ったの間違ったか?」って思ったけど・・・

青春時代にありがちな「甘酸っぱい」出来事に、

「受け入れがたい現実」がスパイスされみごとはまった。。。




でも、中学生が成長するには過酷な現状が秘められていた。。。




「生きることはなんなのか・・・」


幼く不安定な自分に精一杯問いかけた作品だと思います。。。



特に、現実に存在したら「いらっ」とするなと思う「海野藻屑」の発言と行動。。。

初めは全然ついていけず嫌悪感ばっかりだったのに、

読み進めると「実は」な話がいっぱいちりばめられていて、

全てを知るとあまりに彼女の置かれている過酷な現実に胃がきりっっとする。。。

砂糖菓子」の弾丸しか撃つことができなかった非力な彼女に、

居た堪れなくなり胸が締め付けられました。。。



生きていればどこかで成長する。。。



だから彼女には「助かって」欲しかった。。。



し、あの大嵐が来る場所からむしろ「助けて」あげたかった思いがあります。。。



でも、現実はひどく・・・あまりにむごい事件に巻き込まれる。。。





だけど、その出来事があったから・・・

読み終わった後、

この救いようの無い話になぜか切ないけれど綺麗で納得・・・

受け入れることができたのかも。。。




ただ、


「子供は親を選べない」とは言うけれど・・・


「虐待」はほんとかんべんです。。。


こーゆー話やニュースって、よく聞くけど・・・


当事者の背景は別にして、

心が未熟で体だけが大きくなってしまった大人がするんでしょうね。。。


「絶対に正解してはいけないクイズ」って、「犯罪者の心理テスト」で以前から知っていたけど・・・

<実際に使われているかは知らないけど。。。



やっぱり当てはまるのかなぁ・・・


と、ちょっとぞくっとしました。。。




「好きって絶望だよね」


が、一番印象です。。。




「砂糖菓子」の実弾を確固たる実弾に変えて、

体も心も比例して成長していきたいですね。。。







この作者が書いた他の本も読んでみようと思います。。。