6月末頃に84歳になるお義母さん
5月末頃の嘔吐と発熱から3日目、ぜロゼロと言い出し、誤嚥性肺炎疑いで大病院へ訪問医が連絡を取ってくれて、私の車で病院へ連れていきました。
全くお腹を痛がらずに、たまに右胸の軽い痛みを訴えたくらいだったので、まさかの虫垂炎に驚きました。
ご高齢になると、痛みすら鈍くなるのか?
高齢者の訴えを軽んじてはいけないな…と実感したのでした。
緊急手術で摘出した虫垂の写真も見せて頂きましたが、完全に腐っていて穴が2箇所あいていました(>_<)
その後、気管挿管の有無や延命についての話し合いも、家族たちと呼吸器内科医と外科医とで行われるなど、最悪の事態も考えなければならないほど肺炎を悪化させ、集中治療室(ICU)での治療を12日間続けました!
この間、鼻に付けられた酸素チューブやドレーン、尿道管などの管を、酷い錯乱状態のせん妄故に、ベッドに手を布で縛られるという場面もありました。
幸い肺炎は持ち直し一般外科病棟に移れた今、回復期リハにこれから入っていきます。
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お義母さんの、腹膜炎を伴う急性虫垂炎の手術が、如何に緊急だったかということが
これ↓↓↓を読むとよく理解できました。
メモしておきます✍️
http://www.yukoukai.com/surgery/geka/appe/appekinnkyu.html
この総合病院のサイトに、
どんなことが書かれているかの写し(青字)
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1.緊急手術とは何ですか?
急性虫垂炎の患者様に対して手術を行うかどうかを決定することはこちらのページで説明しているように,一口に急性虫垂炎と言っても軽症な炎症から重症の炎症までさまざまありますが,その最も重篤な状態が「緊急手術が必要な場合」なのです.
「痛い.痛い」と外来に来られ,入院となっても,多くの場合,まず抗生物質(化膿止め)の点滴で一晩様子をみて,翌日,翌々日の状態で手術するかどうか判定して手術ということになるのですが(待期手術),抗生物質での治療を待つまでもなく,すぐに手術室に運ばれる状態が緊急手術です.
2.急性虫垂炎で緊急手術が行われる状態
①虫垂の炎症で穿破(破れる)し,腹膜炎へ進行しそうな状態
②虫垂が極めて重症の炎症で腹膜炎となり,全身状態が不良で,すぐに腹腔内の洗浄が必要である.
③炎症の程度に関係なく,とにかく患者様が痛くて我慢できない.
※お義母さんは②に該当しました
3.緊急手術は危険なのですか
緊急手術と待期手術の最大の違いは、緊急手術では炎症の程度が重症であることが多く,患者さんの全身状態(これまでどのような疾患に罹患されているか)も完全には把握しきれないまま手術に臨まなければならないこと.また場合により重症な炎症というだけで,術前に疾患の診断が完全に付いていない状態で手術になった場合すらあるということです。
従って麻酔に対する危険性、手術中の管理、術後合併症などの面で、予測できないことが起こる可能性は通常の待期的手術より大きいと言わざるを得ません。
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※お義母さんの場合は、9年前の直腸がん手術以来、長男の嫁の私が常に病院に付き添ってきました。
お義母さんが20歳代の頃になった甲状腺機能低下症から飲んでいる薬のこと、9年前の直腸がん手術後の抗がん剤点滴によるアナフィラキシーショックのことや、造影剤アレルギーのこと、がん手術の後から老人性うつに移行していき現在飲んでいる抗うつ薬の種類、9年前の手術後は酷いせん妄で管を抜いて大変だった事などを、全部アンケート用紙に書いて医師たちに伝えることが出来たのです。
それくらい、老人ホームに入居したからと言って他人任せにせず、私のスマホには、服薬中の全ての薬情報含むお義母さんの最新情報をメモしてあるのです。
勿論今回はお薬手帳も渡せましたが、交通事故とかだとお薬手帳を持ち合わせていない場合もありますから。
ご高齢の親がいる場合、例え一緒に住んでいなくても、こういった事をお子さんの方でスマホにメモして緊急事態にも対応出来るように把握しておくことは絶対にしておいたほうがいいと思います🤔
今回の有料老人ホームからの病院付き添い依頼は急でした💦
私は大切な高齢者向けの相談員傾聴ボランティアが入っていたので、病院付き添いを夫に頼もうとも思いましたが、肺炎だとしたらそのまま入院も有り得るから、義母のことを把握している私の方が適任と判断し、ボランティアのほうは急遽他の人を探してもらうようにお願いしたのでした。この判断は正解だったと肩をなでおろしました。
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虫垂炎の緊急手術についての解説の写しに戻ります(青字)
通常の手術の場合には、患者さんが手術に耐えられるかどうか、例えば心臓や肺や肝臓や腎臓に病気があるか、対応法など検査、検討が可能です。
しかし、緊急手術の場合これらの検査は不十分なままで手術を行わざるを得ませんので、手術中または手術後にそれらの障害が起きる可能性は通常の手術より高くなります。
手術のタイミングを見極める・・
これが外科医の腕の見せ所
「手術をするのですか?」私たちが患者様のお腹を触って「虫垂炎ですよ」というと,必ずこう聞かれます。
急性虫垂炎には「ちらす」事が出来る状態と「早々に緊急手術を行わなければならない」状態があるのですから、これらを区別するのが外科医の仕事、
30年前外科医になったばかりの私に上司は「虫垂炎と診断したのなら手術しなさい」と教えてくれました.でも腹膜刺激症状(腹膜炎の合併を示す腹部の所見)がなければ,血液中の白血球数が12000個/μl以下なら(正常値は3500~9500)抗生物質で治療可能かと思えるようになりましたが、それでも手術してみて「抗生物質でいけたなあ」と思うことや、逆に「ちらした」つもりでも数日後に腹膜炎がひどくなり「手術が遅れた」と思うこともありました.
でもこの15年くらいは腹部超音波検査,CTスキャン検査で虫垂の腫れ具合,腹腔内膿の存在,他の病気の否定などが診断できるようになり、非常によく効く抗生物質が登場したりで「ちらす」事が増えてきているのです。
急性虫垂炎は長年手術の必要な疾患の代表のように言われてきましたが,最近の器械の発達や,診断技術の進歩により、必要なら早期手術,不必要な手術は避けるという判断の精度が向上しているのでご安心ください。
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こちらの病院サイトは、急性虫垂炎について、より分かりやすく書いてあります!
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